本校二四期生=高二生の中国
修学旅行が今年も実施された。
E・F・G・H・I組の一団と
A・B・C・D組の二団に分かれ、
一団は十月四日〜九日、二団は
十月五日〜十日の日程で、悠久
の歴史と急激な発展中の国、中
華人民共和国を巡遊してきた。
上海・西安・北京の三都市を五
泊六日で大移動するという大旅
行となった。
中国では、十月一日〜七日は
国慶節で休暇を取って祝う。そ
のため、大都市はどこも中国国
内からの観光客でごった返す。
そこで、今年は例年とは逆行程
《上海1西安1北京》で実施し
た。ハイライト見学地北京をよ
い条件で見学できるように、で
あった。が、上海から旅行を始
めたことは、後述のように、予
想外の効果を生み出した。
近年、中国の博物館も月曜日
休館のところが多くなった。今
回は北京のコース別研修の日と
ぶつかり、一団と二団の日程に
一部異なる箇所が生じた。
一団は、西安で大雨に遭った。
年間降水量が六〇〇ミリくらい
の乾燥した地域で現地のガイド
さんも驚くような雨だった。冷
たい雨に濡れた生徒たちの健康
状態を考慮し、急逮日程の一部
を変更したが、これもよい体験
だったかも・・。
どちらの団も、なれない気候
や本格的中華料理に悪戦苦闘し
た。しかし、初めて経験する歴
史の大遺産に、また、中国の人々
のパワーに心奪われていった。
その過程を紹介する。
一日目・二日目、上海。
出発前の生徒たちにとって中
国は 「日本より遅れた国」とい
う印象だった。が、上海に着い
たとたん、生徒たちは驚きに包
まれた。現代建築の空港施設、
リニアモーターカー、高層ビル
の華やかなライトアップ。現代
都市上海は、東京近郊の暮らし
になれた生徒たちに好印象を残
した。中国は世界遺産だけの国
ではないと、見方を変えた生徒
も多かった。
二日目のコース別研修は、孫
園・南京路・魯迅記念館・玉仏
寺の四コースに分かれての見学
だった。見学地でたくさんの観
光客に触れ、生徒たちは、その
力強さ、楽しげな生活ぶり、信
仰のひたむきさなどを感じたよ
うだ。また、全員が訪れた上海
博物館は、中国各地から優れた
収蔵品が集められており庄倒さ
れた。一方、さまざまな場面で、
広がりつつあると聞く貧富の格
差を感じ、考えさせられたよう
だ。
三日目、西安。
兵馬俑坑、楊貴妃と西安事件
の歴史遺産である華活池などを
皆で見学した後、陜西歴史博物
館・碑林博物館・清真寺・城壁
散策の四コースに分かれての
コース別研修を行った。
生徒たちからは、中国の歴史
文化遺産の宝庫のすばらしさや
随所に感じる独特な中国らしさ
を十分満喫できたとの感想が聞
かれた。
が、何よりも生徒たちを魅了
したのは、すべてのコースで実
施した書院門街散策だった。買
い物ということを通してだっ
たが、中国の人々と直接接し、
人々と共に呼吸し交流したこと
で、多くを感じ取ってくれたよ
うだ。
四日目・五日目、北京。
北京の日程は3つに大別でき
る。@コース別研修(抗日記念
館・廬溝橋コース、天壇公園・
古観象台コース、頤和園コース、
雍和宮・天安門広場コース)。
A故宮博物院と万里の長城(八
達嶺)を全員で見学。B5日目
夜の京劇鑑賞。
抗日記念館・廬溝橋、天安門
広場は現代中国史の重要な舞
台。古観象台は中国歴代の天文
学技術を展示する。北京は世界
遺産も多い。天壇公園・頤和園・
故宮博物院・万里の長城。雍和
宮は中国政府が管理するチベッ
ト仏教(ラマ教)寺院。どれも
すばらしい。ただ、故宮博物院
(紫禁城)は、二〇二〇年の紫
禁城建設二百年祭に向け修復中
で、残念だった。
万里の長城で、生徒たちが思
い思いに女坂・男坂を散策する
様子が微笑ましかった。
本旅行最後を飾る京劇は、「拾
玉觸」と「盗庫銀」の二作品。
雑伎の技を駆使した、外国人観
光客を強く意識した演目・演
出で、「予想以上に楽しかった」
という生徒の感想を聞くことが
できた。
6日目、帰国。
現代建築の北京空港から帰路
に着き、無事帰国。
以下に、生徒たちが旅行中に
体験したことを綴った「二〇〇
字日記」を紹介する。
D組 山田
ある飲食店でのこと。私と友
人が注文をするために並ぼうと
…、列がないー!まるで競りのよ
うになっている。人々の熱気に
庄倒され、私たちは結局何も買
うことはできなかった。
個人を押し殺して生活する我
我日本人にとって、中国人の気
質は異様にもとれる。しかし一
方で、これこそが意思伝達の本
質ではないかという感情も抱
く。店員から「ご注文は?」の
二言もない「混乱」の中を生き
る中国人。「秩序」の中にいる
日本人にはない躍動を感じた。
G組 舘
上海博物館で年が同じぐらい
の女子にいきなり英語で「中国
と日本の関係についてどう思い
ますか?」と聞かれた。どう答
えようか考えていたら、「台湾
は中国にあるべきですよね?」
や「日本と中国と台湾の関係に
は?」などいろいろ聞かれた。
何とか向こうの納得いくよう
な答えを出せたが、こんなこと
考えたこともなかった。世の中
についてもっといろいろ興味を
持たないといけないと感じた。
E組 大澤
私が、中国で一番初めに驚い
たことは、バスの中から見た上
海の風景だった。右の窓から見
えるのは、まだ開発されていな
い地区で小さな家々がひしめく
ように並んでいた。しかし、左
の窓から見えた景色は、超高層
ビルが競い合うようにネオン
を発しながら乱立する景色だっ
た。そのアンバランスさが一つ
の魅力かもしれないが、日本で
問題になっている「格差」とい
うものを中国でも感じた。
H組 安西
中国で感じたこと。それは活
力である。日本人と比べて、中
国人は生き生きとしていた。
特に、万里の長城でおみやげ
を買おうとした時に、友人と値
切り交渉をしているときのお店
の人には何か熱いものを感じ
た。そして最後には「オトモダ
チ」と呼び合い、友人は商品を
作る手伝いまでさせてもらって
いた。
日本では、テクノロジーの発
達と共に、このような心の交流
がなくなっている気がした。生
活は豊かでも、心は貧乏だと
思った。
今回の旅行での体験が、今後
の生徒たちの生活や学びの中で
どのように岨噂されていくか楽
しみだ。
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