えんじゅ:211号


入学・進級を祝して「これからの時代」

副校長 田村
  


   

ご入学・ご進級に際し、心か らお祝い申し上げます。
 本校での新しい年度を迎えて 早1ケ月が過ぎようとしていま すが、新年度の学校生活には、 もう慣れたでしょうか。今年は、 入学式当日に雨が降り、久しぶ りに恒例の記念撮影が第一体育 館にて行われました。開校当初、 講堂がまだ無かった時代、体育 館で行った入学式を懐かしく思 われた先生も多かったかもしれ ません。
 さて今年度、新しい年度を迎 えたところで、これからの時代 を睨んだ日本の社会制度に関す る問題を目の当たりにしている のではないでしょうか。ガソリ ン税の暫定税率の取り扱いか ら、道路特定財源の一般財源化 の問題、更には後期高齢者医療 制度がスタートし、これからの 社会制度の制度設計として、こ れでいいのかという懸念が広 がっています。日本の将来像を 形成する上で、その根幹を成す 社会制度の在り方について、今 後どうあるべきかが問われ出し ています。限られた資源や予算 をどう使うか、環境問題にも通 じるこういった課題をどう解決 するか、十分な議論を重ね理解 を深めていく必要があるでしょ うし、これからの時代を見通す 力が本当の意味で試されると感 じます。
 新たな気持ちを持って学校生 活を送っている生徒の皆さん、 是非それぞれの目標を持って、 充実した一年を送ることを強く 期待するとともに、これからの 時代を見通す力を養って貰いた いと思います。


つなぐ
            中1学年主任 村井


 中学第二十三期生として迎えた 諸君が、何事にもやる気ある人た ちだったのを嬉しく思う。
 さて、入学の祝いとして差し上 げた 『「自分の木」の下で』 はもう 読んだろうか。「私の勉強のやり方」 という章があり、かつて大江先生 が渋幕中の生徒に話されたことを そのまま著したものだが、その中 のひとくだり、−子供の時に、よ し、このように生きてゆこう、と 考える、そして自分なりにはじめ る生き方は、一生続く、というこ ともいいたいのです。…この続い ている、ということが大切なんで す。…つなぐ、といってもいいで しょう。自分の意思で続けてやろ う、とすることが、つなぐことです。 −ここでいわれる「つなぐ」とは、 概ね自己発展の意味にとれよう。
 谷川俊太郎の詩「生きる」「朝の リレー」も「つなぐ」がキーワー ドだった。諸君は同時代の人々と つながりあいつつ、先人が築いた 「人間存在」を未来へ届けるメッセ ンジャーである。
 渋幕の伝統をさらに発展させて、 それを未来につなぐべく、手をつ なごうではないか。

 

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平成20年(2008)7月7日改訂