えんじゅ:236号


2010年度 進路講演会

明石康氏「国際社会で働くということは」



 十一月二十四日に元国連事務次長・明石康先生を御招き致しまして、進路講演会を開催しました。 中学三年生・高校一・二年生が対象ですが、保護者の皆様も多数御来校下さいました。
 講演では、御自身の学生時代等を振り返られたあと、まず日本の最近の若者の気質について 話されました。そこでは、外国を舞台に働きたいという者と、外へ出ず日本で働きたいという 者とを比較され、近年は安定を求める傾向などから、前者のようなたくましさや大きな夢をもつ 若者が少なくなっていることを述べられました。

 次に、最近の日中間の尖閣諸島をめぐる問題や韓国との竹島の問題について話されました。 そこで先生は、相手国の対応にも問題はあるが、日本側のその場しのぎの対応にも問題がある ことを話されました。例えば漁場権の問題であれば、予め双方間のルールを決めておくことや、 相手国の首脳者といつでも率直に話ができるようにしておくことで、双方の利益を守りながら 素早く解決できたのではないかと指摘されました。
 先生はグローバル化についても話されました。グローバル化にはメリットもあるが、デメリット として強者、弱者ができてしまうことを挙げられ、弱者になった国に対する強者の責任も果た すべきだと述べられました。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題などのように、日本は グローバル社会で生き残れるかどうかの瀬戸際であるとも話されました。

 グローバルな人材として世界で働くために大切なことは、やわらかい感性をもった交渉能力と、 外国語は流暢に話せることよりむしろ伝えたいメッセージがあることだと先生は述べられました。 また、日本の伝統的な文化の深さを知ることが外国の文化やその国の人々の考え方を理解する 土台になること、自国の文化を説明することを厭ってはいけないということでした。
 最後に、先生は生徒達に向かって、試行錯誤や寄り道をしながらも、将来「本当にやりたいこと」 をきちんと発見してもらいたいと熱く語っていらっしゃいました。



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平成22年(2010)12月21日改訂