えんじゅ:263号

心に感動と対話を
進路部部長 井上


   一学期も今日で終了し、いよいよ明日から夏休み。私は機会あるごとに夏休みについて二つのお願いをしている。  一つは「本物を体感すること」。それは、スポーツでも芸術でも、憧れの場所、憧れの職業、だっていい、本物だけが与えてくれる「オーラ(輝き)」を体感すること。電撃が自分の体の内を走り抜けるような感動の一瞬を体験できれば、未来に向けた閃きを、自らの心の内に見出すことができる。  二つめは、「孤独と退屈の時間」を持つこと。いつも誰かといることは寂しくはないが、それは気詰まりな状態だ。いつも何かをしているのは時間を持て余すことはないが、実は疲れる状態だ。だから孤独で退屈であることが一番リラックスしている。そして孤独であることで、本当の自分と会話ができ、新しい自分が見える。ところが現代人は孤独の欠乏状態にあるという。孤独や退屈であることへの恐れなのか、ネットや携帯を片時も手放せず、いつも群れている烏合の衆。自分で孤独から逃げていく者には、自分を作り上げる創造力など得れやしない。あえて勇気をもって「孤独と退屈の時間」を持ってほしい。  そして、この夏、もう一つ君たちに与えたい命題がある。それは「自分の持っている本当のよいものは何か」ということ。インドにこんな寓話がある。アリという裕福な農夫がいた。ある日アリは、一夜の宿を提供した老僧から、この世が何故できたかを聞く。霧の塊であった世界が、神の力で、火の玉になり、宇宙を飛び回り、やがて固まり、表面に山や川や草原ができ、内部の火は、金、銀、銅になり、太陽の光を受けてダイヤモンドが誕生した。老僧は、アリにダイヤとは親指大のもので広大な土地が買え、鉱脈を探し当てたら息子を王座に就かせることができると教えた。ダイヤのありかを熱心に尋ねるアリに老僧は、白い砂の中の川にダイヤがあると告げる。アリは自分の土地を売り、ダイヤを探す旅に出る。長い旅の末、失意の内に、地の果てでアリは死ぬ。一方、アリの土地を買った男がある日、白砂の中に光る石を見つける。珍しい石だったので部屋の炉の上に飾っておく。そこへ再び旅の僧が来て宿を乞う。老僧は輝く石を見て叫ぶ。「アリはとうとうダイヤモンドを見つけたんだ!」農夫は言う。それは私が裏の川で拾ったものだ。  この寓話は、人間とは、本当にすばらしいものは実は自分の手の中にあることを忘れ、他に求める愚か者であることを言っている。私が君たちに言いたいことは「自らの内なるダイヤモンドを見い出せ」ということ。愚か者にならないように、「自分の内なる心の感動」と「孤独と退屈による自分の心との対話」の中で、この命題に向かってもらいたい。よい夏休みになりますように。



えんじゅ:263号

海外大学進学説明会
海外大学進学カウンセラー 富田


    梅雨の晴れ間の六月二十九日、第一啓発室にて海外大学進学説明会が開かれた。本校生徒の中では進学先として海外の大学を選ぶ機運が高まっており、会場はその道を一歩足先に歩んでいる卒業生の話を直に聞こうと集まった生徒や保護者約二百名の静かな熱気に包まれた。  田村副校長の挨拶の後、国際部のオリエンテーションがあり、卒業生の体験談となった。27期の松浦礼さん、沼田侑己さんからは大学一年目の充実した生活が報告された。次に28期の石原萌惠さん、関根結花さん、林由季さん、山谷渓さん、竹内誠一郎さん、渡辺祥太郎さんからは自らの出願準備や高校生活についての発表があった。あえて海外進学を目指した先輩の行動力・意志の強さに会場は感銘を受けた。一般生(非帰国生)としての苦労も聞けたことは五年ぶりのことで大変刺激的であった。会場には、一般生として初めてアメリカの大学を卒業した23期の和田直樹さんも駆けつけ、後輩を激励した。  全体会の後、各教室に別れての相談会となり、在校生が卒業生を囲んで積極的にアドバイスを求めた。緒についたばかりの海外大学進学支援だが、関心の高まりに担当者として会の意義を再確認した。  卒業生より後日届いたメッセージを紹介したい。

 「海外受験は時間もお金も掛かるし簡単ではないけれど、大学生活だけでなく、出願のプロセスも糧になると思うので、諦めないでがんばってください。」  「海外大学を受験する生徒はまだ少数派です。情報が限られる中、保護者のサポートが最も心強いと思います。」




えんじゅ:263号

世界選手権へ
体育科 今関


   いつも応援ありがとうございます。近況報告ですが、先月の日本選手権で5位に入賞しました。本番までの調子は良く優勝を狙っていましたが、狙いすぎで固くなってしまい、本来の力を発揮することができませんでした。世界選手権は逃しましたが、アジア選手権の代表選手に選ばれたので、ベストを尽くしてきます(このえんじゅが発行される頃には終わっていますが)。年内の大きな大会は、秋に行われる全日本実業団選手権を残すのみとなりました。来年は、四年に一度行われるアジア大会(アジア選手権より高い位置づけの大会です)という大きな国際大会があります。そこでしっかりメダルを獲って自信を付け、再来年の世界選手権へのステップとしたいと思います。



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平成25年(2013)7月19日改訂