えんじゅ:266号


進路講演会



   十一月十五日、進路講演会を実施しました。本年度は、三菱商事株式会社代表取締役社長の小林健先生を講師にお招きして、「総合商社の現状と今後の課題─社会のグローバル化に対応する力─」という演題で講演をいただきました。生徒、保護者、教職員など合わせて約千三百名が、わが国を代表するトップ企業のリーダーの、グローバル化に対する感懐を直接に拝聴できる幸甚に浸りました。今回の講演会は小林先生が、田村校長と中学、高校のご同窓であることや、シンガポール支店長時代に、本校の姉妹校、早稲田渋谷シンガポール校でご講演をいただいたご縁もあり、ご多忙の中、特別なご配慮を賜り実現したものです。
 講演はまずスクリーンをバックに、大学紛争時代の学生生活や、ご自身の商社パーソンとして歩まれた歴史を時々の経済情勢などを絡めながら語られ、続いて、従業員六万人、年商二十兆円を超え、あらゆる産業に接点を持っているという三菱商事の現況を説明されました。そして、商社という企業が日本の歴史の中で誕生した世界的に類を見ない独特の企業形態であることや、その資産は人間であるという三菱商事の企業ポリシーをお話しされました。さらに映像で、世界92ヶ国に二百の事務所を持ち、外務省の在外公館よりも広いネットワークを持つという三菱商事が、現在、世界各地で取り組んでいる、LNGやシェールガスといった資源事業や食肉(中国)や穀物(ブラジル)といった食糧事業など、心が沸き立つような数々のスケールの大きなプロジェクトの内容をとても興味深く紹介いただきました。
 そして、日本の将来を担う若者に対して、①嫌なことから逃げず、自分がやるという姿勢で何事にも望め(当事者意識)!②現場に出て、実践を通じて様々な経験を積め!③奇を衒わず、策を弄さず、ゴロは正面で捕れ!④志は高く、目線は低く持て!⑤想定外の変化にも対応する力を持て!という5つのメッセージを提示されました。一つ一つが実体験に裏打ちされた意味深長なお言葉でありました。
 最後に商社という企業の形態が、かつての「トレーディング(モノの仲介や貿易)」を行なう形態から、現在はトレーディングのみならず、資源開発、物流、金融等、様々な機能を提供する「総合事業会社」へと大きく変化していることを熱く語られました。
 生徒からの質問にも丁寧に回答いただき、将来の商社パーソンを目指す生徒たちにアドバイスをいただきました。
 そして生徒たちの御礼の拍手の中、講堂を後にされた小林先生は、次のお仕事のため、休憩もとらずに、そのままお車に乗り込まれ、学校を後にされました。





えんじゅ:266号


第37回ユネスコパリ総会
校長出席報告



 十一月初旬、ユネスコ総会がパリで開催され、各国の元首級をふくむ三千名以上の出席があった。各国ユネスコ国内委員会の代表が四年ぶりに集うということで、日本国政府代表顧問として参加した。ユネスコ国内委員会会合では、今回二回発言する機会があった。
 まず一回目は、国連におけるユネスコが教育に関する専門機関とし、ポスト二〇一五年開発アジェンダへの教育をESD「持続可能な開発のための教育」として明確に位置づけることに注力し、将来の展望を明らかにすることを主張した。また、サイエンスは、地球規模の問題に対処するにあたり不可欠な要素で、自然科学と人文・社会科学の総合的アプローチである「サステイナビリティ・サイエンス」の重要性を喚起した。一方、環境・経済活動の面のほかに文化多様性の保護も強調した。
 二回目は、ユネスコ活動の更なる活性化のため、「若者、企業の参加によるユネスコ活動の一層の促進」を掲げ、新たに委員にユース代表枠を設けることを報告。来年十一月にユネスコと日本政府共催の「ESDに関するユネスコ世界会議」が愛知・岡山で開催されるにあたり、世界各国の特に若い世代の声を今後のESD推進に反映させたいことを述べ、各国からの積極的な参加を呼び掛けた。
 今回の総会では、二〇一〇年に本学園渋谷中学・高校に来られたボコバ事務局長が、次期事務局長として再任された。来校された折書いていただいた色紙には、こう書かれている。


I wish to all students and professors at Shibuya Junior and Senior High School every success in the processing of learning about our complex and dynamic world. Education for Sustainable Development is our future! Irina Bokova



えんじゅ表紙へ

学校表紙(もくじ)へ

平成25年(2013)12月27日改訂