えんじゅ:281号  


ニュージーランド研修
スーパーグローバルハイスクール高1の活動を振り返って

 

中学第三学年
ニュージーランド研修


中学二十七期生(参加者二六五名)のNZホームステイ研修は今年も三月にワイカト地区(十一日~二十五日)、ウェリントン地区(十二日~二十六日)に分かれ実施された。言語、文化、考え方の違いを机上の「知識」ではなく、「皮膚感覚」として捉えられた生徒が多かったように思う。このような経験が国際理解への一歩となるよう願う。 一年 山本  sorry!  ニュージーランドに来てから、それが私の口癖だった。そんな私にある日ホストマザーはこう言った。「そういう時はthank youって言えばいいのよ」と。何かあるたびに「すみません」と謝る日本とは考え方が違うのだということに気づいた。でも、よく考えてみると日本でも「すみません」より「ありがとう」と言われた方が嬉しい。言葉や生活が異なりそれぞれの〝当たり前〟が違っても根底にある考え方は一緒なんだと感じた。そう思ったのはこれだけではない。ホストファミリーがお風呂に入らなかったり、水を使わずに食器を洗ったりしているのを見た時は本当に驚いた。日本とは全然違うと思った。でもやはり、これも根本的なところでは日本もニュージーランドも変わらないのかもしれない。ニュージーランドの人々は水をとても大切にしているからであって、それは日本も一緒だと思う。ただ、その方法が違っているだけで。そしてもう一つ、何よりも変わらないと思ったのは家族の温かさだ。妹が試合に負けたときお姉ちゃんが励ましたり、家族がいつもI love youと言ってハグをしあったり。そんなホストファミリーを見ていると、私も家族が恋しくなった。文化の違いはたくさんあっても、元をたどってみれば私たちはみんな同じなのだと思う。私が学んだのは、それを違う〝視点〟から見るということだ。  帰国の日、成田空港に迎えに来てくれた母に私はこう言った。 「ありがとう」
 

スーパーグローバルハイスクール
高一の活動を振り返って
高校教頭小河


ーパーグローバルハイスクールの指定を受け、この一年間生徒は様々な活動を行いました。教科としては家庭科で「和食」を扱うため、素材研究、和食の優れているところ、マナーを含む会席料理に関する知識、実習など様々な角度から研究を行いました。また、講演会(二回実施)やSGH海外短期研修(北京・シンガポール・ベトナム)にも積極的に参加しました。  今年の二月二十八日(土曜日三、四校時)には、クラス別に研究を進めてきた和食素材についての学年発表会が開催されました。会場には、生徒だけでなく、東京外国語大学(SGH連携大学)より外国人留学生三十一名と先生、SGH運営指導委員の先生方、千葉大関係者、県庁関係者の方々もお迎えしての開催となりました。クラスで選んだ食材研究のテーマは、「塩と水」「小麦」「大豆食品」「味噌」「醤油」「漬物」「海藻」「出汁」「米」でした。どのクラスも数週前からプレゼンシートの準備、発表原稿作り等々、修正作業は直前まで続きました。当日のプレゼンは「本番に強い渋幕生」という結果となりました。  その後クラスで留学生との交流会、さらに放課後カフェテリアでの交流会で幕を閉じました。  運営指導委員の先生方との懇談会では、課題研究テーマを「食」としたアイディア、生徒のプレゼン能力にお褒めの言葉を頂きました。同時に、これからは世界との比較という視点や英語でのプレゼンも欲しいという助言がありました。