えんじゅ:296号  


 

地区別保護者懇談会(後期)


  中間考査終了翌日の、十月二十九日の土曜日、田村記念講堂に於いて地区別保護者懇談会を開催いたしました。  これまでは、地区を2つのグループに分けて午前と午後の二度にわたり開催しておりましたが、今回初めての試みとして、全七地区合同での一度の開催といたしました。  午前中雨との予報でしたが、始まる頃にはすっかり好天に恵まれました。四百五十名程の保護者に参加いただき、心より感謝申し上げます。  懇談会では、グローバル社会で大切にすべき事、これからの道徳教育、日本の教育の課題の他、SGHの中間評価や当日配付した資料の説明をいたしました。  また今回はこれまでよりも質疑応答の時間を多く取り、寄せられた質問に出来る限り直接お答えするようにいたしました。  懇談会終了後は会場を移し、地区ごとに分かれてランチ会が行われました。  今回も卒業生や在校生の方々のご協力により、リサイクル品が多数集まり、全ての地区で、ご希望の方にお渡しする事が出来ました。今後ともご協力の程、宜しくお願い申し上げます。  なお、当日の質疑応答、当日ご紹介出来なかった質疑については、学期末に配付する地区別保護者懇談会報告書をご覧下さい。
 

進路部GLFCプログラムから 東京大学・ICU大学模擬講義


   進路部の『GLFCプログラム』の一環として、一学期の東京医科歯科大学模擬講義に続いて、東京大学とICU(国際基督教大学)の模擬講義が中三~高二の希望生徒を対象に実施された。 ※  十一月十八日、東京大学新領域創成科学研究科の田中俊徳先生をお招きして、中三~高二の参加希望の生徒、約四十名を対象に、「サスティナビリティ学」という新しいジャンルの学問をテーマとして講義をいただいた。地球温暖化やエネルギー問題、金融問題、貧困格差など様々な地球環境を取り巻くグローバルな課題をベースにした興味深い内容の講義であった。公民の授業などで学んでいる内容が基礎知識になっており、生徒の関心も高く、講義の終了後も個別の質問の生徒が引きを切らず、結局合わせて三時間近い時間を対応していただいた。本校生徒の前向きな姿勢に先生からも称賛の声を頂戴した。  続いて十二月二十二日、ICU(国際基督教大学)から特任講師のJennie Roloff Rothman 先生をお招きして、中3~高2の参加希望者二十五名を対象に同大学のリベラルアーツプログラムにおける英語でのモデル講義をいただいた。テーマは"Critical Thinking in a Global Age„ Discussion やDebateを合間に織り込みながら、明るくフレンドリーに展開される先生の熱心な講義に生徒たちはぐいぐいと引き込まれ、有意義で充実した時間を過ごすことができた。
 

コラムSGH18


  一九八八年から二〇〇八年までの二十年間、世界の所得は上位1%と30%~60%の所得層の所得が6割以上増えた一方、上位70%~90%を占める先進国の中間層の所得がほとんど増えないという結果が出た。いわゆる「象のチャート」と呼ばれる分析であるが、民主的に資本主義を推進してきた先進国を支える層の所得増加が止まり、台頭する国の所得水準が向上してきた二十年と総括される一方、上位1%の資産は増加の一途を辿っており、格差の拡大としてクローズアップされる。日本でもバブル崩壊後の失われた十年、その後のデフレ成長と重なり、豊かさを実感出来ない層が増えている。これからの二十年、成長を続けてきた層の所得増加が止まり、豊かさを実感出来ない人々が世界のあちこちで増えることも予想される中、所得だけに頼らない豊かさを生み出す多様な価値観を見出し尊重しながら、格差を超え平和に成長していくことが出来るのか。これからの世界でグローバルに考え、より良き世界にするために行動することは、敬意を持って受け入れられるべきものであると思う。