えんじゅ:296号  


 

中学第三学年 模擬裁判


   今年で二一回目の模擬裁判が十一月二四日に本校講堂で行われました。本校では、中三公民で二学期に司法を学習しますが、模擬裁判を通じて司法はもちろん社会に対する興味・関心を高め、また弁護士の先生方と直接接することで職業として法曹界をとらえ、進路を考えるきっかけとなることも期待しています。本年も東京弁護士会所属の八名の弁護士の先生方に、リハーサルと本番の二度にわたりご指導いただきました。配役は希望者の中から選ばれた二七名の生徒が務め、他の生徒は公民の授業内でシナリオを読み込み、陪審員として参加しました。  今年のシナリオは窃盗事件で、百貨店のエレベーター内で被害者の鞄から財布を窃取したとして起訴された被告人が、犯行を否認したものでした。与えられたシナリオは、そのまま読み上げたのでは検察官・弁護人ともに立証が不十分であるため、配役の生徒は三週間にわたり昼休みや放課後自主的に勉強会を開いて準備をしました。  本番のハイライトは証拠調べでの証人尋問と被告人質問でした。検察官・弁護人双方ともが自分たちで考えた尋問・質問を行い、「異議あり」の場面が何度もある白熱した展開となりました。休廷後、五人の裁判官が言い渡した判決は無罪。始めは有罪・無罪に意見が分かれたものの、話し合いの結果全員一致で無罪と判断したようです。
 

中学第一・二学年 薬物乱用防止教室


    十一月二十四日、中学一、二年生を対象に隔年で行われる薬物乱用防止教室が講堂において開催された。 千葉県西警察署の生活安全課、および、千葉県警の少年センターの方にご来校いただき、薬物乱用問題に関して、映像も交えてお話をいただいた。  内容は大麻や覚醒剤に始まり、生徒がより身近に触れる可能性の高い危険ドラッグや、日常的に使用される鎮痛薬等の乱用が心身に及ぼす悪影響の紹介、もしそうした薬物に接する機会があった場合、どのように振る舞うべきかというものだった。  生徒達は少年センターの方の質問に積極的に答え、事後に記入した感想を読むと、この講座を通じて薬物乱用問題に関する漠然とした印象から脱却し、問題をより身近なものとして受け止めている様子だった。
 

最近の数学の発展について 荻原さん


 皆さん、こんにちは。  十八期卒業生の統計数理研究所の荻原哲平です。先日渋谷幕張校でJST数学キャラバンが開催され私も参加しました。数学キャラバンは大学等の数学者達が運営しており、メンバーは、数学を使って社会に役立つ新しい技術を開発しようと日々研究しています。  例えばインターネットのセキュリティに欠かせない暗号化技術は量子計算機という非常に速いコンピュータが開発されると解読される危険があり、量子計算機が解けないような新しい暗号化技術を作ろうと日本の数学者達が研究しています。また、最近研究が活発な人工知能の分野では、人間の知識をデータとして与え、統計学の理論を使って機械に学習させます。今社会では様々なデータが蓄積されるようになり、このような大量のデータを分析するには人間よりも人工知能が適しており、そのための数学的基礎が急激に発展しています。このように社会の変化に応じて数学も進化を続けています。
 

外務省セミナー


 十一月二十四日(木)、進路部の『GLFCプログラム』の一環として外務省官房総務課から古川忠雄課長補佐をお招きして「海外で働くという事」というテーマで外務省セミナーが実施された。当日は中三~高二の、将来、外交官や国際機関での活動など世界を舞台とした活躍を企図する生徒、約七十五名が啓発室に参集した。  セミナーは「外務省の役割」を皮切りに、「国際機関での活動」や「異文化理解」など海外で働くということの意義や、「国際公務員へのプロセス」など、必要な知識や心構えについて、ご自身の外務省での経験を踏まえられながら丁寧に説明いただいた。セミナー終了後は、希望する生徒を対象とした座談会も実施され、本校生徒のグローバル志向の高さを具現した熱いセミナーとなった。