進路講演会
「人生をどう生きるか」
朝日新聞社 倉重奈苗さん
十一月二十七日(月)、本校六期生で、朝日新聞社で政治部の記者として活躍されている倉重奈苗さんに講演をいただきました。
倉重さんは本校在籍時から知的好奇心にあふれ、海外(アメリカ)研修や学校行事に積極的に参加し、そうした高校時代の経験が、今の自分の生き方につながっていることからお話が始まりました。
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私は高校時代から自分の生き方に迷うことがあると、真っ白い紙に「何をしている時が楽しいか」を書き綴り、その中に何度も出てくる言葉があれば、そこに進むべき自分の方向が見えてくると考えてきました。大学院を卒業して就職を決める時も、「名刺一枚で世界が見える」という言葉に好奇心が揺さぶられ、新聞記者という職業を選択しました。
しかし、新聞記者の仕事はそんな甘いものではなく、新人で配属された和歌山支局では、いきなり取材の最前線に送り込まれ、折しも発生した重大事件の情報収集に奔走する日々を過ごしました。
その後、総理番記者や北京大学への留学、中国特派員などを経験し、現在は本社政治部の外務・防衛省担当キャップとして、主に中国、朝鮮問題を担当しています。
私の信条は「人間のやることに無駄はない。思い立ったが吉日」。記者としての情報収集のカギは「身につけられる能力を貪欲に吸収する能力」と考えます。
現代社会は不確実性の高まる社会、多くの情報の中で物事を見極める能力が肝要です。そのために多くの経験を積んで直感(センス)を磨くことが大切。今から十代後半までが大事な時間です。自分が納得できる人生を送るためには十代の今からいろいろと考えてもらいたい。
それから、大学に入るまではネットからではなく直接新聞を読んでもらいたい。人間の知は実は自分の関心のないところにあるもの。たとえ関心のない情報でも、そのことを視界に入れていくことがとても大切なのです。
最後に、今自分に課しているのは「楽しいこと」が「辛いこと」より少しでもまさっているならそれを続けるということ。人生の七割は仕事。私は入社以来、一週間以上の旅行をしたことがありません。(新聞記者はそういう仕事だと)納得しているからできます。皆さんも、納得できることを探してください。
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その後は、多くの生徒からの質問に丁寧に対応され、講演会の終了後も多数の生徒から個別の質問を受け、倉重さんが校門を出られたのは、夕方六時過ぎでした。
社会の最前線で活躍する卒業生のお話を拝聴して、生徒のキャリア意識の向上を確信できた講演会となりました。(進路部・井上)
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