十月九日から三泊四日の日程で、古都奈良で研修を実施した。四日間分の班別行程表を作り、事前レポートを書いてから臨んだ。
初日、班別で新幹線に乗り、京都駅に到着した。教員のチェックを受け、奈良に移動し、班別での見学を開始した。予定の新幹線に遅れた生徒がいたが、全員が無事に集合することができた。奈良の気候は、夏の陽気で、半袖の生徒が多かった。夜には、学年全体で燈花会を行った。クラスごとに考えたデザインを、ろうそくの炎でかたどった。風に揺れるろうそくの灯りが幻想的で、夜の奈良公園に彩りを添えていた。
二、三日目は、初日とは異なる班員たちで班別に行動した。吉野や室生、柳生、生駒、御所など奈良駅から離れた場所に行った班が多かった。また、手延べ素麺作りや和菓子作り、柿の葉寿司作り、点茶・茶会、蹴鞠、写経など、体験活動をした班も多かった。朝八時前にホテルを出発し、日中を存分に使う班が多く、各々で奈良の班別行動を満喫していた。両日とも一時的に雨が降り、レンタサイクルを予定していた班は雨天用の行程に変更した。二日目の夜には、雅楽の演奏と舞踊を鑑賞した。生徒たちは、体の芯にまで響く迫力のある演奏と華やかな衣装での舞踊に見入っていた。実際に楽器に触れる体験があり、百人程の生徒たちが参加した。管楽器は音を出すのも難しいため、必死の形相で息を吹き込んでいた。
最終日は、初日と同じ班員で班別行動を行い、新幹線に乗って東京駅へと帰った。新幹線の発車時刻に遅れないため、奈良駅付近や法隆寺などの近場をゆっくり見学する班が多かった。奈良公園の鹿たちに別れを告げ、全員が無事に帰宅し、全日程を終了した。
実施後、事後レポートと紀行文を書いた。中学三年間の知識と経験を集大成した研修であった。
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