えんじゅ:148号

高校2年 修学旅行
中国・九州 10月8日〜13日(1団・九州),9日〜14日(2団)

中国 修学旅行(北京・西安・上海)

 10月、約300名が2団に別れ て中国への修学旅行に出かけた。 北京、西安、上海の3都市を5 泊6日の計画であった。9月の アメリカの同時多発テロで、一 時実施に不安がささやかれたが、 本校では、外務省、JTB中国 支店、現地旅行社からの情報な どから、中国方面は安全という 判断をした。計画は予定通り進 められ、結果的には生徒達も大 いに楽しみ、無事終了した。

 小林秀雄に、「見る」ことを 扱った文章がある。道に咲く美 しい花が目に入る。「花だな」と 思った瞬間、花そのものは見え なくなる。言葉は見ることの邪 魔になる……。

 本校の校外研修は事前学習を してそれを現地で見てくるとい うやり方のものが多い。それは それで意義深く、これまで成果 も上げてきた。たとえば高校1 年の時に出かける広島研修もそ うであったが、広島で語り部さ んと打合せをしたときに言われ たことが心に引っ掛かっていた −あまり前もって勉強させな いでください。わかったつもり の人たちよりも、サラの状態で 来る人たちの方が、私たちの話 も、資料館の展示品の意味もよ く伝わるようです。

 さて、2年生になっての修学 旅行は小林秀雄流に「見る」こ とも考えてみることにした。事 前学習は程々にとどめ、生徒達 の現地での感動が「経験」とし てより深く心に残る事を期待し た。事後指導も、書物による知 識に頼ったレポートだけではな く、創作(掌篇小説、詩歌な ど)、エッセイ、書、切り紙、絵 画、作曲、ビデオ作品、ダンス 等々、自分の感動を、それに見 合ったやり方で形に残し、経験 として深められるようにしなさ い、ということにした。作品は まだ出そろっていないが、文書 だけではなく、西安の花売り少 女をCGで見事な絵に仕上げた 作品などのほか、作曲を楽譜や CD−Rで提出するという生徒 や、書に取り組むという生徒も いて、楽しみである。

九州 修学旅行(熊本・長崎・吉野ヶ里 等)

 サッカー部員男子生徒12名 だけの九州修学旅行。新幹線の ぞみ号で行った九州はさほどの 距離を感じさせなかった。

 自由な雰囲気のなか、生徒た ちは常に意欲的であった。別府 では温泉を満喫し、貸切の大浴 場で腕立て伏せ。熊本阿蘇山で は降雨の為に見学が心配された が、山頂に到着直後に雨が止み、 壮大な火口を一望できた。熊本 城で忍者と記念撮影、フェリー で島原へ。船上から見える海・ 山の美しさに感激し、土石流保 存資料館では自然の怖さを痛感 した。長崎では広島に引き続い て平和学習に取り組み、原爆資 料館を見学。あまりの熱心さに 予定時間を1時間もオーバー。 ハウステンポス、吉野ヶ里遺跡 を見学後、最後は太宰府天満宮 で学業成就を祈願し、3年生の 先輩達へのおみやげにお守りを 買い込んだ。

 少数精鋭の修学旅行。参加し た12名にとって忘れられない 旅行となったことであろう。


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平成13年(2001)12月 3日改訂