えんじゅ:148号
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![]() 10月、約300名が2団に別れ て中国への修学旅行に出かけた。 北京、西安、上海の3都市を5 泊6日の計画であった。9月の アメリカの同時多発テロで、一 時実施に不安がささやかれたが、 本校では、外務省、JTB中国 支店、現地旅行社からの情報な どから、中国方面は安全という 判断をした。計画は予定通り進 められ、結果的には生徒達も大 いに楽しみ、無事終了した。 小林秀雄に、「見る」ことを 扱った文章がある。道に咲く美 しい花が目に入る。「花だな」と 思った瞬間、花そのものは見え なくなる。言葉は見ることの邪 魔になる……。 本校の校外研修は事前学習を してそれを現地で見てくるとい うやり方のものが多い。それは それで意義深く、これまで成果 も上げてきた。たとえば高校1 年の時に出かける広島研修もそ うであったが、広島で語り部さ んと打合せをしたときに言われ たことが心に引っ掛かっていた −あまり前もって勉強させな いでください。わかったつもり の人たちよりも、サラの状態で 来る人たちの方が、私たちの話 も、資料館の展示品の意味もよ く伝わるようです。
![]() さて、2年生になっての修学 旅行は小林秀雄流に「見る」こ とも考えてみることにした。事 前学習は程々にとどめ、生徒達 の現地での感動が「経験」とし てより深く心に残る事を期待し た。事後指導も、書物による知 識に頼ったレポートだけではな く、創作(掌篇小説、詩歌な ど)、エッセイ、書、切り紙、絵 画、作曲、ビデオ作品、ダンス 等々、自分の感動を、それに見 合ったやり方で形に残し、経験 として深められるようにしなさ い、ということにした。作品は まだ出そろっていないが、文書 だけではなく、西安の花売り少 女をCGで見事な絵に仕上げた 作品などのほか、作曲を楽譜や CD−Rで提出するという生徒 や、書に取り組むという生徒も いて、楽しみである。
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サッカー部員男子生徒12名 だけの九州修学旅行。新幹線の ぞみ号で行った九州はさほどの 距離を感じさせなかった。
![]() 自由な雰囲気のなか、生徒た ちは常に意欲的であった。別府 では温泉を満喫し、貸切の大浴 場で腕立て伏せ。熊本阿蘇山で は降雨の為に見学が心配された が、山頂に到着直後に雨が止み、 壮大な火口を一望できた。熊本 城で忍者と記念撮影、フェリー で島原へ。船上から見える海・ 山の美しさに感激し、土石流保 存資料館では自然の怖さを痛感 した。長崎では広島に引き続い て平和学習に取り組み、原爆資 料館を見学。あまりの熱心さに 予定時間を1時間もオーバー。 ハウステンポス、吉野ヶ里遺跡 を見学後、最後は太宰府天満宮 で学業成就を祈願し、3年生の 先輩達へのおみやげにお守りを 買い込んだ。
![]() 少数精鋭の修学旅行。参加し た12名にとって忘れられない 旅行となったことであろう。
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