えんじゅ:157号校長先生講話 |
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「自調自考」を考える(そのCXLIX)幕張高等学校・附属中学校校長田 村 哲 夫 |
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二学期。秋酣。 アメリカでは、子ビも達が "Trick or treat"と言って近処を集団で廻る日=ハロウィーン Halloween=がある月が10月であり、11月は第4木曜日の収穫感謝の日=Thanks-giving Day=があ る月である。共に秋の収穫を祝うということで、近年では欧州特に英国 では、一般的に祝う日となっている。日本でも、秋は「豊穣祭」(ホゼマツリ)といっ て五穀豊饒を祝う秋祭りが、大人も子供も共に祝う行事として行われている。そしてその 後、我国では各地の神々が出雲地方に集まると言われている。10月を神無月(カンナヅキ)と言い、出雲地方 のみが、神在(カミアリ)月という所以。 学校でも、2学期のこの時期、1年の活動の収穫を祝うかの如 く、多くの意味のある行事が実行されていく。槐祭文化の部、研修そして修学旅行がこれで、 学校の内外の活力を学校行事に結びつけ、学枚生活に一層の活力を吹き込むことが計画的に実 行されていく。 今年は、例年の如く、高2生が中国修学旅行(北京・西安・上海)を実施、そこで21世 紀おそらく世界の中心の1つとなる中国という巨大な国(人類の5人に1人は中国人)の悠久 の歴史と現代の活力を身に沁みて感じとったことであろう。私も久し振りに生徒と共に訪中が 出来、運よく現代中国の大学入試の現代文の7割が出典するといわれる魯迅(本名周樹人)の 一人息子周夫妻に会うことが出来るという望外の事があった。 旅することの余徳か。また、他学年では広島、奈良、木曾、南房総等、歴史と未来への夢を求 めての研修が行われた。そして11月、「ノーベル質料学フォーラム東京」(主催読売新聞社・NNHK)が実施され、本学園の中高生約500人が参加する。 日本では、ノーベル賞受賞者が同じ年に2人出るというのは史上初めての事であるが、その 年に、このフォーラムを学園協力の下で、実施出来るという事は、まことに素晴らしい秋とな っている。 受賞者として指導される方は、「江崎玲於奈、利根川進、スタンリー・ブリシナー(狂牛病異常 プリオン発見者)」の3博士。 こうした行事が、自調自考の幕張生にとっての強い刺激となって、「自己実現」「自己開発」へ の道に、一層活力を与えてくれるようになることを祈っている。 今秋は、プロ野球「巨人」ファンの1人としての私に大変ショッキングな出来事があった。 4番打者「松井」のFA宣言とメジャーリーグ希望の明言である。 私は、高い年俸と日本プロ野球の盟主といわれる巨人の中心 選手としての名声を抛(ナゲウ)って、自分の天賦の才能を信じて、新し い世界に、より高いレベルを求めて挑戦するということに感動 した。 ファンとしては、一抹の寂しさはあっても、若者のこの挑戦 には、心から応援したい。人生は一度しかないのだから。 自調自考の幕張生よ。若者達よ。自らのカを信じてより高い 水準を目指し心して行こうではないか。
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平成14年(2002)11月27日改訂