えんじゅ:161号
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2月24日、本校の開校20周年を祝う会が田村記念講堂で挙 行された。記念式典、アニパーサリーコンサート、薩摩焼宗家14 代沈壽官氏による講演会と続き、最後は会場を幕張プリンスホテル に移しての祝賀会で開校20周年を祝った。 また、記念誌『The road to Self-Thinking Self-Awareness 自 調自考への道』が刊行され、学校関係者に配布された。 <記念式典> 遥かそびゆる不二が山領を……開式直後の校歌斉唱の歌声がいつも と違う。大きく伸びやかに歌っている。たまたま開校二十周年に居 合わせた生徒達も、素直に喜んでくれている。「20年という年月 は短いようで、やはり、かなり重みがある。生まれたばかりの乳児 が、20歳の青年に育つ年月である。」現在の在校生たちは、まだ 生まれていなかった。 式辞を述べる田村校長の表情には、順調に伸張してきた本校への 自負と安堵が感じられる。「生命の誕生の場といわれる渚を開校の 地とし……教育目標の1つに『自調自考』を挙げた。」その後、本 校の教育目標を後追いする形で、当時の文部省が「個性重視」を揚 げる。「『自調自考』という伝統は、時代の変化と共に、いよいよそ の重みを増すことになる。」……ああ幕張幕張、輝ける未来 <アニパーサリーコンサート> 本校の吹奏楽部と室内学部を中心に結成されたオーケストラによ るアニパーサリーコンサートが開催された。演奏曲目はヘンデルの 「シャコンヌ」とアルテスの「チャマンボ」である。日頃は、教室 で笑顔を振りまいている中高生たちの、安富先生のタクトに集中す る眼差しが印象的であった。
![]() <開校記念講演会> 御急病により1年延期された沈壽官氏の講演会。演題は「私は茶 造り」。校長の「待ちに待った」という紹介に実感がこもってい た。沈氏は、与えられた環境のなかで逞しく山根を張り開花結実させ る「植物の生き方」に喩えて進路決定の助言をなされた。穏やかな 語り口と薩摩焼宗家としての誇りに裏打ちされたどっしりとした内 容で、聞く者を飽きさせない講演会であった。
![]() <祝賀会> 英国公使スチュアート・ジャック閣下(本校理事)をお迎えして の祝賀会は、華やかな雰囲気で行われた。学園関係者それぞれが2 0年間の成果を祝うとともに、新たな出発を決意して閉会した。
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創立20周年記念誌刊行の話 が持ち上がったのは平成13年 9月のことであった。「どんな 記念誌が良いのか」、先生方か らのアンケートはもとより、卒 業生、現役生そして専門家から の意見まで広く集めた。それら は編集委員会にとって大きなエ ネルギーになった事は言うまで もない。一貫以前、一貫に向け て、一貫時代という流れの中で 草創期から現在に至るまでの2 0年を熱い気持ちで語ってみた い。生命の根源である海が学園 の街に、共に創りあげてきた伝 統や自信や誇りの重さ、豊かに 生きた自調自考の心と確かな手 応え、それらの詳細な記録を生 徒の動きに表現した、ずっしり と重みのある記念誌を作ってみ たい! ここにたどり着くまでには確 かに各委員の苦労はあったが、 様々な方々のアイデアと力が結 集して完成をみたことは、この 上もない喜びである。記念誌に 触れてどうお感じだろうか、前 述したことが少しでも感じられ たなら幸いに思う。最後に記念 誌のタイトルである「自調自考 への道」に永遠なるものを求め ながら歩き続けて行きましょう。 ハマグリ、マークとアサリのハー リーのそんな声がする。
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海はすべてを産み出すとい う。葦の原は消えて、そこに新 たな装いで1つの学校が誕生し た。それが本校で、誕生の日か ら20年を数える。2月24日 には、学園関係者で、華やか に、そして厳かに式典と祝賀会 が開かれた。待望のオーケスト ラが編成され処女演奏で清らか な空気が講堂を満たした。薩摩 焼き十四代の名陶工沈壽官さん の、生きることへの熱い心で溢 れた講演の中でも、次の2点 ”教育改革国民会議の多くの 委員の中に、常に私を引きつけ て動かない一点があった。その 人は柔らかい言葉で理論整然と してほかの委員たちをリードし ていた。その人が田村校長”私 はグツと来て覚えず涙をにじま せた。”志を立てるということ は、他を棄てることです。” そうだ、この選択がいつかで きる生徒をこれからも育てたい。 そう強く自身に言い聞かせた。 記念誌をめくると、旧職員1 75名、硯職員177名、多く の人たちの手で産み育てられ、 多くの人たちに受け継がれて来 た自調自考をライフスタイルと してすべての生徒が身につけ、 世界を庭として活躍できるよう に明日に向かって精進したい。
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本校のシラパスは、平成3年 にスタート、翌春高校版を試行 的に使用の上、平成5年から中 高の学年別に作成し毎年改稿し て今日に至っている。これは全 国的にも極めて早い例であろ う。 校長先生からシラパス導入の 意向が示された時ひらめいたの は、大学と中高との違いから、 独自の発想で取組む必要がある こと。次に年度毎に多数の担当 者が執筆するならば、枠組みや 見出しで統一をはかる。見開き で1科目とすれば、学年により 30頁から80頁ぐらいの差が 出ようか等などで、同時進行で 1,2分間考え、これは授業改 革に有効、との感触をえてご返 事をした記憶がある。 シラパスは均質な学習内容を 公示している。その一方で授業 では集合教育の中で個々への村 応が求められている。授業とは 教師と生徒との合作であるか ら、シラパスでの約束事は教師 のみならず、生徒にも同じく関 わる。 成長をめざす生徒を支え励ま す授業の成否は、この約束の上 で、両者の人間的交流如何に関 わる。願わくば先生がた、この 上ともその経験・創意・情熱の すべてを授業に傾注されんこと を。授栗は生きものであるから。
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渋谷教育学園幕張高等学校 の創立20周年を心からお祝い 申し上げます。 「自調自考」を教育理念に、 中高一貫教育、共学校として新 しい進学校の形を取り入れて、 20年間という短い間に築き上 げられた知名度は、校長先生を はじめ本校に携わってこられた 方々のご努力のたまものです。 深くお礼を申し上げます。
![]() 「自調自考」は、自分自身を自 分で成長させ、そしてそれが揺 るぎの無い個人の「誇り」にな り生きてゆく上で後悔しない原 点になると思います。 皆様は決して忘れない四文字 熟語ですね。 教育後援会では、皆様の未来 に願いを込めて「前へ」という タイトルで、ブロンズ像を昇降 口の所に贈呈させて頂きまし た。ブロンズ像の手は、片方が 前方へ向かう気持ちを表現し、 もう1つの手は、自分で掴み得 たものを守るという強さを表し ているそうです。 最後にこの度の記念行事を、 計画・実行して下さった方々に 厚くお礼を申し上げます。
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創立20周年おめでとうござ います。早いもので、私が卒業 してから11年が経ちました。 私は高3の時に既に会社を興し ていました。将来は経営コン サルタントになりたくて、大 学の間だけ、二足の草鞋を 履いているつもりでした。し かし、この11年間で、仕 事は続けながら大学は満期8 年で中退、1年のブランクを 空けて、中退のまま大学院 に入れてもらい、修士課程を 2年で修了し、仕事は他の 人に任せて、この春からは別 の大学院の博士課程に行く ことになりました。まさか、 11年前はこんなことになる とは思ってもみない結果にな りました。 こんなことが起こってしま うのも、この20年で時代が 変わったことが大きな要因で す。勉強はしようと思ったと きが一番身に付きます。も し、今この渋幕で高校生を しているのならば例え今すぐ に進学が思うようにいかない ことがあっても、これからは 敗者復活がし易い時代です。 少なくとも20代は絶対にそ うでしょう。 そろそろ卒業生が母校に 恩返しをできるようになる時 期かもしれません。同窓会は そのお手伝いをしなくてはな りません。
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平成15年(2003) 4月 8日改訂