えんじゅ:172号

中二
鎌倉研修



去る四月二十八日、散策日和の中、中学二年の鎌倉校外研修が行われた。 例年より一週間ほど実施が早く、準備期間も少なかったが、日常の授業から解放され、 のびのびと鎌倉の血で時を過ごすことができた。以下に歴史の授業で書いてもらった感想を紹介する。


      中二 塩見

円応寺の閻魔大王像は一度没した仏師運慶が、閻魔大王に自分の姿を彫る事を命ぜられ作られたという。 この時運慶は生き返った喜びから笑いながらこれを彫ったので、どことなく笑っているように見える事から 「笑い閻魔」とも言われる。作られてから長い年月が経っているのにまだほとんど痛んでいないところをみると 運慶の腕がよほど良かったのだと思った。また、円応寺には他の十王も公開されており迫力があった。 やはり地獄には行きたくないので、生き方を変えようとも思った。


      中二 山本

建長寺には建長七年(一二五五年)物部重光に鋳造され、大覚禅師に銘文を浮彫にされた梵鐘という国宝がある。 建長寺に入って、まず目についたのがこの鐘だった。小学生が一生懸命解説を写していた。 庭園は隅まで手入れが行き渡っていて庭の美しさに感動したと同時に、国宝を守るのは大変なんだと思った。


      中二 荒本

円覚寺は鎌倉五山第二位の格式を今に伝える名刹。弘安五年に北条時宗が無学祖元を招いて建立したことより、 中国の宋との関係が親密であった事がうかがえる。寺名の由来は建立の際、「円覚経」の教典が納められた石櫃が 発見されたことに由来する。円覚寺は総門には威圧感と存在感があり、当時の鎌倉武士の風情がよく出ていた。 また、舎利殿は周囲の碧、草木とのバランスが合っていて落ち着くような雰囲気があったため、深く鎌倉の歴史が味わえたように思う。


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平成16年(2004) 7月 5日改訂