えんじゅ:172号
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去る五月十七日の月曜日、第二十回メモリアルコンサートが開かれました。 数々の名演を生み出してきたこのステージも早二十周年。これまで 着実に多くの人達に本物の管弦楽のすばらしさを伝えてこられた事と尾もいまs。 今年は高校三年の谷山さん、高校二年の中澤さんが演奏し、オーケストラには田中千香士先生指揮、 レボリューションアンサンブルを迎え、聴衆と奏者の心が一つになり、音楽の核心に迫る 熱演が展開されました。 高校三年 谷山 頭の中はまっ白だった。何の音から弾き始めるかさえ考えられなかった。 ただ自分を信じて弾くしかない・・・そう決意して舞台に上がった。 コンサートでの演奏が決まった時は本当に嬉しかった。しかし、初めてのソリストというプレッシャーが何度も私を襲った。 それでも挫折しなかったのは、多くの人々の暖かなお念があったからだと思う。 そして何よりも、ハープを弾く「楽しさ」が私を大いに支え、ここまで成長させてくれたに違いない。 演奏が終わった。私は、この舞台を最後までやり遂げたという達成感で胸がいっぱいだった。 この感動は、いつまでも忘れないことだろう。そしてこのような素晴らしい機会を与えて下さった学校に心から感謝したい。
高校二年 谷山 コンサート当日。 『私は音楽が大好きだ。シューマンが大好きだ。本番は一度限りだけれど、何も恐れることはない。』 そう自分に言い聞かせながらステージへ向かう。自分の内外の様々な物への緊張から、とてもテンションの 高い状態で演奏を始めた。 オーケストラの音が私のピアノの音と対話をし、一緒に歌い、時にお互いの音楽を刺激しあう。 たった十五分の、非日常的で素晴らしい時間。しかしそれは、私にとってただの十五分ではなかった。 普段の何倍にも神経が敏感になり、同時に何倍もの生命力が心身を満たす。本当に有意義な十五分だった。 貴重な経験ができたことに感謝し、これからも一日一日、音楽の勉強を続けていきたい。
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平成16年(2004) 7月 5日改訂