十月九日から十月十五日にかけて、高校第二学年の修学旅行が中国と九州とに分かれて実施されました。例年のように中国は二団に分かれ、第一団が九日から、第二団が十日からの、それぞれ六日間ですが、今回第二団の一部は成都でのトランジットを経て西安に入るコースとなり、その待ち時間を利用して、駆け足ながら三国志ゆかりの武候祠を見学する機会を得ました。九州は九日からの六日間でした。 |
晴天の日本を発ち成都・西安に降り立つと雨天が待っていた。西安では一日中降りしきる雨に行程を変更せざるをえず、コース別研修を期待していた生徒には非常に残念だったろう。 北京に移動してからは逆に好天に恵まれ、故宮の北側にある景山公園では南望すると毛沢東紀念堂まで見ることが、長城では青天のなか遥か遠方まで続く龍のような城壁を見ることができた。北京のコース別研修において、今年は中国人民抗日戦争紀念館をコースの一つに設定した。研修前にこの場所についての説明や心構えなどを伝えていたが、実際に足を運んだ生徒の事後レポートを見ると非常に印象に残ったと記す生徒が多かった。一方の観点からだけでなく、様々な視点から物事をとらえるきっかけになった。 学校交流では四つに分かれて、現地の中学校に訪問した。中国の中学は高校も含まれているので同世代との交流となった。第一外国語を日本語とする月壇中学や多くの海外大学進学を果たす十一中学など現代中国の多様性を示す学校との交流に、生徒たちも時には驚きまた和気藹々と交流し、お互いの連絡先を交換する生徒もいた。 この修学旅行では、悪天候や強行軍もあるなか生徒はよく頑張っていた。この経験が十年二十年後の彼らにとって何かしらの行動を起こすきっかけとなれば幸いである。 (中国修学旅行担当 岩渕) |
九州は行程の大半が班別自主研修であるため、一学期から班員間で協力し行程計画作成に努め、過去の研修旅行で培った自主研修の集大成となりました。 一日目は全員で鹿児島県の知覧に向かい、武家屋敷見学や旧日本軍特攻基地の知覧を語り継ぐ「特攻平和会館」で講話学習を行いました。二日目以降は全行程が班別行動となり、鹿児島県内を、仙巌園や天文館周辺の鹿児島市内、桜島、砂蒸し風呂で有名な温泉地指宿、鰹節名産地の山川方面など、思い思いに訪ねました。三、四日目は福岡ドーム直結のホテルを起点に福岡、佐賀県内を、太宰府天満宮、八幡製鉄所、関門海峡トンネル、吉野ヶ里遺跡などを訪ねる班が多い中、石灰岩のカルスト地形で知られる北九州の平尾台や城下町柳川に向かう班もあり、家具の街として知られる筑後川河口の大川では「大川」の製作体験をする班もありました。五、六日目は長崎県内をフィールドとし、長崎市街地では爆心地周辺の平和公園、原爆資料館、浦上天主堂、眼鏡橋や出島、大浦天主堂やグラバー園等の有名観光地に加え、世界遺産に指定された軍艦島(炭坑)、三菱長崎造船所、九州最後の炭坑で十六年前に閉山した池島炭坑などの産業遺産に触れる班もあり、「自由なスタイルの修学旅行」に感心する現地の方々からの声を聞く事もできました。 (九州修学旅行担当 土屋) |