えんじゅ:144号
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釈迦はこの世に生まれるとす ぐに、「天上天下唯我独尊」と 言ったと伝えられています。自 分がこの世の中で一番すぐれて いる (ひとりよがり)、と解釈 する人もいますが、私は、自分 が一番尊くて大切なのだと、こ の言葉を理解しています。慶應 義塾大学を創った、「学問のす すめ」 でもよく知られている壱 万円札の福沢論吉の言葉に「独 立自尊」があります。この言葉 も釈迦の言葉を、自分が一番尊 くて大切、と私がとらえたと同 じように読んでいます。 そして今、この中学校に入学 した君に、あらためて、「自分 自身が一番尊くて大切なのだ」 と自覚して欲しいのです。それ は、入学式の日、君が手にした 「中学校生活」 の小冊子にある ように、君の生命は君1人のも のであるだけでなく、無数の人 たちの生命の集まったもので、 そのうえ、数限りない生命を産 み出してゆく、そんな生命の君 だからです。そうすると君の隣 の、そのまた隣の友も、君と同 じ様な生命なのだと気づきます。 君と、考え方、行動のし方が違 っていても、君が大切にする自 分と同じように、大切な生命、 人間だと、その大切さが分かり ます。吉野源三郎が言ったよう に「ぼくも人間君も人間」なの です。この平凡であたりまえの 人間観をしっかと胸に植えつけ ましょう。その上で、この21 世紀を 「生まれて来てよかっ た」と、誰もが言える世の中に 創るのに、役立つ人になって下 さい。そのために、できるだけ 早く「稚心」 (お母さんの懐に 抱かれ、お父さんの膝にまとい つく) を去って自分探し (自 立) へ旅立ちましょう。 国語数学など教科で学ぶ1つ 1つも、部活動生徒会活動など から得るすべても、他者の、世 の中の、役立つ人間になる上で 大きな力となるのです。21 世紀は、君の、君たちの世紀。 | ||
日を追うごとに、1人1人の 姿がはっきりとし、多様な個性 との出会いがあります。さて、 次のことを新入生に期待したい と思います。 ●よく学ぶ生徒に これからの6年間の土台づく りの学年です。何事にも全力で 当たり、学び、吸収していきま しょう。 ●自主的に行動できる生徒に 自分のおかれている立場の中 で、どう行動していくのかを考 え実行していきましょう。 ●他を思いやる心豊かな生徒に 集団の中では、他を活かし自 分も伸びていくことが大切です。 人との出会いを大切にし、個性 を伸ばしていきましょう。 「人が朝目覚めるということ は、本来それ自体が日々新たな 世界との出会いである。」とい う言葉があります。この1年が 昨年の続きではなく、新しいス タートとして、心新たに成長し ていってくれることを期待して います。 |
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