えんじゅ:144号

平成13年度

入学おめでとう!(高校)

5月の嵐に



高校副校長

阿 曾 

     
 風薫る青葉の候、進学・進級 した諸君があらたな環境の中で 真摯に活動する姿を見るたびに 幸せを感じる。ことしも大きな 稔りの年でありますように。

 青菜をわたる凰にクリの花の 香りを感ずると、青森の三内丸 山遺跡、縄文の初夏を偲ぶ思い になる。先年ここを訪れて以来 のことであるが、特にことしは 佐倉の歴博で、つい数日前まで 三内丸山の企画展があって、多 くの人たちが縄文時代への認識 を深めているのを見たので、な おさらである。

 三内丸山のシンボルは、直径 1メートル、高さ20メートル とされる6本の巨木であるが、 これがクリである。また山の幸 としての食料にクリは主要な役 割を担っていて、集落の外縁部 一帯に広くクリ林が造成されて いたことが花粉分析で明らかに され、さらにDNAの分野では 野生の改良による栽培種である という。加えてヒエなビ一年草 の栽培の可能性もあって、農耕 の一歩手前とも言えるという。

 5500年前から1500年 間栄えた大集落、2列に設けら れた墓地、その間を貫く道路の 先に集会場と計画的である。秩 序立った世界が想像される。

 ここは水位が高い土地なので 朱塗りの木碗や櫛、ヘアピン、 編物断片など細かい日用品もよ く残っていて、神経の細かい手 さばきがうかがえるのである。

 私は、10000年もの間日 本全土を覆った縄文文化が日本 文化の基層をなすと考えるので、 その実体に関心をもつのである。

 この次に水田稲作が伝来し、 更には国家形成の時代がくる。

 こうした大変動の波にもまれ て縄文人の姿は見えにくくなる が、消えたわけではない。むしろ 新しい要素を積極的にとりいれて 変貌をとげているのである。「い いとこどりの文化」などとも言う が、その逞しさは地球時代を迎え たわたしたちを元気づける。

初心を忘れずに



高校第1学年主任

高橋


 高校生になって1ケ月が過ぎ ました。授業、部活動、友人関 係など、新しい学校生活にも少 しずつ慣れてきたのではないで しょうか。高校生になるときに、 誰もが大なり小なり目標や夢を 抱いたと思います。今後もその 目標や夢をぜひ持ち続けてくだ さい。目標や夢は大きければ大 きいほど達成するのは困難であ り、多くの努力が必要となりま す。しかし学校生活に慣れるに つれて、物事を始めた最初のこ ろの新鮮な気持ちや素直な気持 ちが薄れてしまうことがありま す。そんな時には、自分の生活 を振り返り、もう一度初心を思 い起こして見て下さい。何事も 始めるのは簡単、止めるのも簡 単です。最後まで根気よく継続 することが大事なのではないで しょうか。いつまでも初心を忘 れずに努力を続けていれば、き っと目標や夢は実現すると思い ます。この3年間でしっかりと 大地に根をおろし、枝を張り、 素晴らしい花を咲かせて欲しい と思います。


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平成13年(2001) 7月19日改訂