えんじゅ:153号
| ||
---|---|---|
平成14年2月2 3日、私達中3生 200名を乗せた飛 行機はニュージーラ ンドへと飛び立った。 ニューヨークの同時 多発テロで一時は中 止をも考えられただ けに、窓からニュー ジーランドの彩やか な緑を目にした時の 喜びは一潮だった。これから2 週間という時間をここで、新し い家族達と過ごすのだ。
![]() 私のステイ先の家は農家だっ た。毎朝モーターバイクで牛の 隣を並走すること15分、その 後スクールバスで40分の道の りを学校まで通った。初めのう ちはニュージーランドなまりも あってか、英語が全く分からず苦 心することも沢山あった。けれ どみんなで歌ったり踊ったりし ているうちに自然と現地の子達 とも仲良くなれた。学校と家の 往復の時間がすごく短く感じた。 ニュージーランドの昼は長 い。夜の8時半頃やっと日が沈 む。学校から帰るといつもホス トファミリーと庭でクリケット やトランポリンなどをして日が 暮れるまで遊んだ。ニュージー ランドの人はみんな自然のまま に生活していた。日が沈むと辺 り一面が真っ暗で、街灯 もビルのネオンも何もな くて、牛の声と天の河だ けが彩やかに感じられ た。ニュージーランドで は逆立ちしたオリオン座 や南十字星が見える。日 本では決して見れないも のを、天の河や土ボタ ル、他にも天然記念物の キウイなど−直に見れた こと、本当に貴重な数々 の体験ができた。そして 沢山の人々の温かさを感 じることができた。ホス トファミリーと別れる前日の夜、 フェアウェルパーティーの帰り の車で、サラはずっと泣いてい た。私は「また会えるから泣か ないで。」と言って彼女の手を ずっと握った。あの時本当は窓 の外の天の河を見て涙がこぼれ そうになるのを精一杯こらえて いた。
![]() 今でも「あの2週間は夢だっ たんじゃないか。」と思う。あ っという間に過ぎた2週間、1 泊2日くらいに感じた。けれど 確かにその時は存在していて、 今の自分を形成する大切なルー ツになっているはずだ。いつか 私がお婆さんになって死ぬ時が 来ても、この2週間を思い出し て笑って眠れると思う。最後に こんな素晴らしい経験をさせて 下さった父・母、先生方、JT Bのスタッフの方、ニュージー ランドにいる家族・友人…。本 当にありがとうございました。
| ||
![]() ![]() |
||
えんじゅ表紙へ | ||
![]() |
平成14年(2002) 5月28日改訂