えんじゅ:166号
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私たちは先日、広島で研修旅 行を行った。3日間の班別行動 の中に平和記念公園が必修地と なっており、また、被爆者の方 の話を聴く機会にも恵まれた。 「ヒロシマ」を通して皆が戦争 と平和について考えただろう。
![]() 私の班は1日目に平和記念公 園を訪れた。ほのぼのとした雰 囲気がまず印象に残ったが、原 爆ドームを見た瞬間、そのイ メージは消え去ってしまった。 被爆当時の状況を現在まで残し てきたそれ。数10本の支柱に支 えられてようやくその姿を止め ていた弱々しい様子は、今も私 の目に焼きついている。 その後、平和記念資料館へと 向かった。綺麗な内装に膨大な 資料の数、そしてそれらを感慨 深けに眺めている人々……。私 は何か違和感を感じてしまっ た。だが、館内の奥に進んで いったとき、その正体が明らか になった。出口近くのスペース には、被爆者や街の様子が写真 として展示されていた。私が本 当に見たかったのはこれだった のだ。原爆投下に至った経緯と その後の歴史、原爆の仕組み… …など色々な資料はあったが、 生の「ヒロシマ」を捉えたもの を私は欲していたのだろう。単 純に「ヒロシマ」=平和の象徴 などとは出来ない。人類自身が つくり上げた原爆という兵器の 犠牲になった、人々や街を私た ちは忘れてはいけない。
![]() そしてその日の夜、ホテルで 私たちは被爆者の方の話を聴く 機会を与えられた。本物を体験 した人の話はやはり他とは違う。 私たちの誰もが真剣に聴き入っ ていた。一時間程度のはずだっ た予定は伸びに伸びた。皆の質 問の量が非常に多かったためだ ろう。しかも、ただ多いだけで はなく、質がどれも優れていた ためでもあったと思う。質問を した人とそれに答える人、だけ の会話には終わらず、その場に いた私たち全てに何か考えさせ るものばかりだった。 私は今回の研修は大成功だっ たように思う。なぜなら、私た ち皆がそれぞれ戦争と平和につ いて考えられた、非常に有意義 な3日間だったからだ。この研 修を機に、戦争を知らない私た ちが国際社会の中でどう在るべ きか考えていこうと思う。もち ろん、「ヒロシマ」という側面 だけではなく、各々のテーマ学 習もリッパなものだった。さら に、現地での行程も私たちを成 長させるものであったと思う。 この研修で私たちが培った全て のことを忘れずにずっと色々思 考し、行動し、学習していきた い。
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平成16年(2004) 1月 8日改訂