【平成29年度】
十二月二十一日より八泊九日で実施された研修に、高校1年生8名が参加した。いつも温かく迎えてくださる月壇中学の先生方にお世話になり、生徒たちはホストファミリーとの交流をじっくり楽しんだ。餃子づくりや食卓でのマナーを習い、通常の旅行では知り得ない人々の暮らしを体験した。この研修には「食」に関する学習が色々含まれている。日本大使館では、中国の農林水産業の現況や食品の安全について様々な話を聞くことができた。天津の富平創源農場では、商売を成功させることよりも、中国全土に有機農法を広げたいのだと考える人々に出会い、生徒たちは感銘を受けたようだった。地元の人々との交流を通して得られたものを、生徒たちがどのように人と共有し、自分の中で育てていくのかが、楽しみである。

【平成28年度】
十二月二十一日より八泊九日で実施されたSGH北京研修は初日を除き好天に恵まれた。主な目的は国際交流とSGH研修。ホームステイを行いながら現地の「食」に関する調査を行った。特に有機農業については、天津まで足を伸ばし、有機農業をどのように実施しているのか、日中を比較しながら見学した。長い歴史を持つ中国を知る体験として、北京市内の雍和宮および国子監・孔子廟を見学した。国子監内の科挙にまつわる展示に、古代の激烈な競争社会と自分たちを重ねたのか、非常に関心を示していた。月壇中学の日本語授業では積極的に授業参加し、地理の授業では日本との視点の違いについて、板書を頼りに理解したようだ。現地留学生との交流では、自分たちの将来に直結することもあり、質問や意見を活発に交わしていた。短い研修とはいえ、事前の準備もあり、生徒自身の視野が広がった満足のいく研修を行えたのではないだろうか。(引率・岩渕)

【平成27年度】
PM2・5による赤色警報がニュースを騒がせた十二月、生徒六名は期待と不安の中、研修に臨んだ。汚染状況が厳しい日もあったが、「本物」を見る一つの機会でもあった。ホストの家庭では、餃子作りや観光などを通して交流をした。SGHとして二年目。今年は中国の有機野菜宅配事業に注目し、天津の農場を見学したり、大使館で中国の食の安全について講義を受けたりした。個人では行けない場所や会えない人がプログラムに多く盛り込まれていることは、この研修の醍醐味として今後の生徒にも勧めたい。参加者は実際に現地に赴き、そこで生活する人と交流することで、これまで持っていた一面的な「中国」(ひいては異文化)の見方が変わるきっかけになったはずである