「千葉医学」とは! 千葉大学医学部・見学セミナーを開催しました。

8月22日(火),今年度も千葉大学医学部にご尽力を賜り,進路部主催のGLFCプログラム・「千葉大学医学部見学セミナー」を開催しました。当日は参加予定の50名が13時に千葉大学・亥鼻キャンパスの正門に集合、そこから医学部の総合研究棟に移動して、三階の大講義室にてセミナーが開始されました。当日の内容は以下の通りです。

◆ 千葉大学医学部の沿革とミッション
セミナーでは、まず,横手幸太郎医学部附属病院長からご挨拶と,千葉大学の医学部の沿革とミッションについての動画を視聴しました。以下要約です。
千葉大学医学部の歴史は古く、明治7年の千葉町に設立された共立病院にまで遡ることが出来ます。明治20年に国立に移管され、第一高等中学校医学部になりました。明治27年に第一高等学校医学部医学科、明治34年に千葉医学専門学校医学科、大正12年に千葉医科大学となり、昭和24年に新制の千葉大学医学部となりました。これまでに基礎医学や臨床医学分野の研究や診療に優れた業績を多くあげており、日本・世界の医学をリードする幾多の指導者を輩出してきました。 カリキュラムは、広い視野と深い教養及び人間性を養うための普遍教育科目、医学の専門的知識と医師に必要な技能・態度・習慣を習得する専門教育科目により構成されます。卒業時に学士の学位が授与され、医師国家試験を受験することが出来ます。

千葉大学医学部には「千葉医学」と呼ばれる140年にわたり受け継がれてきた,医学の伝統と誇りがあります。千葉医学のアイデンティティーとして、視覚的アイデンティティーと言語的アイデンティティーが提案されています。視覚的アイデンティティーは、特別なロゴマークを通じて表現されており、獅子,鷹,手が獅子のように細心にして大胆且つ動じない胆力,鷹のように諸事を見通し,判断,解決できる眼力,両手で臓器を大事に扱い,緻密に手技を行える人間の手を意味しています。中心のハートは胆力,眼力,臓器を意味すると共に,患者中心の医療を実践できる共感,利他,責任感などプロフェッションとしての心を意味し,千葉医学が目標とする医師像を示しています。言語的アイデンティティーは、大学病院の基本理念,「人間の尊厳と先進医療の調和を目指し,臨床医学の発展と次世代を担う医療人の育成に努める」に由来した『人間の尊厳』を「人間の尊厳と先進医療の調和を目指し、次世代に伝える」Harmony of Humanity and Advanced Medicineという言葉で表現しました。また,診療,教育,研究のいずれにも共通して,イノベーションを興し,それをやり遂げるという意志が込められた旧第二外科教授の中山恒明教授の「まず始めること,始めたら止めないこと」という言葉も英文に置き換え二つの単語に要約した『begin.continue』という形で継承されています。

◆ ラボ(研究室)ツアー
ご講演の後にはラボツアーを行いました。事前の希望調査のアンケートを行い、15グループに分わかれ,希望した研究室の見学と研究内容の解説をいただきました。

整形外科の研究室を見学したグループでは生徒5人に対し,教授2人が担当をしてくださり,整形外科の役割から,千葉大学医学部における整形外科の状況,教授個人の研究内容の説明や簡単なデモンストレーションをしていただきました。デモンストレーションでは,モーションキャプチャを利用し,人の動きを分析する手法の一部を体験しました。また,質疑応答にも丁寧に対応してくださり,教授自身の野球の経験から整形外科を目指した経緯や,音楽家の手を専門に扱うことになった経緯,海外留学の話など,「医学」に関わらず進路選択をどのような考えでおこなってきたかという話を聞くことができました。

◎ ラボツアーの後は講義室に戻り、伊藤先生の講演と救急救命センターの見学を2グループに分かれ入れ替えで実施をいたしました。

◆ 「医師への道のり」
医学部副部長の伊藤彰一教授に「医師の道のり」というテーマでご講演いただきました。千葉大学医学部が卒業時に身に付けて欲しいと考える能力・特性(卒業コンピテンシー)やそれに向けたカリキュラムについてご説明いただきました。チーム医療に向けコミュニケーションを重視したカリキュラムや海外大への留学制度,卒業後の学びなど千葉大学医学部での「医師の道のり」を具体的にイメージできる内容でした。

◆ 救急救命センターの見学
講演後,附属病院の見学を行いました。救急救命センターの説明を中心に,救急救命医の先生方から,救急救命医の仕事内容や専門性,また働き方についての考え方などをお話いただきました。ラボツアーで見学した大学施設とは異なり,実際の病院での救急搬送の流れや,利用されている装置の説明をしていただきました。

◆ 卒業生による学校生活の紹介
 最後に渋谷幕張のOB・OG3名が,千葉大学医学部での学生生活についての説明をしていただきました。サークル活動やボランティア活動の話,11月に行われる亥鼻祭(学園祭)の紹介や,大学での学びなど大学生活全般について丁寧に説明をしていただきました。先輩たちが生き生きとして充実した大学生活を送っている様子が伝わりました。

セミナーの最後に質疑応答が行われ,講演のあと残ってくださった伊藤教授も含め,生徒の疑問に丁寧に回答をいただきました。生徒にとって医者という職業や働きかたを考えるきっかけや,千葉大学医学部の特徴を知るきっかけとなるセミナーとなりました。学びのモチベーションにもつながることと思います。
本年度も本校生徒のために格別のご配慮とご尽力を賜りました,千葉大学医学部の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。