2023年4月8日2023年4月9日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第354号 四月、卯月。清明、玄鳥至。春の使い「つばめ」が巣をかけるとその家に幸せが訪れると言い伝えがある。玄鳥、乙鳥、天女など呼び名様々。若葉が萌え、花が咲き、鳥が舞い歌う。生命の輝く季節。学校では入学式が挙行される。 幕張中学三百十二名、高校六十八名。新しい自調自考生の誕生である。 校庭では輝きを象徴して桜の花…
2023年3月20日2023年3月20日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第353号学校は今、三月弥生、春分。太陽が真東から昇り、真西に沈む日を迎え、「卒業式」そして「修了式」と続き、新学期の準備真最中である。 春分の日を中日に前後計七日間が、春のお彼岸で、先祖の霊を供養する仏事が行われる。日本では古来このころから農事始の神祭が仏教とは別の信仰行事として定着していたようだ。 竹の芽も茜さ…
2023年3月3日2023年3月1日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第352号三月、弥生。この時期、学校では三十八期生を送り、新入生を迎える準備に忙しい。 旧暦では、雨水、草木萌動。冬の間に蓄えていた生命の息吹が外に現れはじめる季節。春の花木の代表的花は、梅、桜と桃であろう。奈良と平安時代の和歌や物語に登場する花は、圧倒的に梅が多く、次いで桜と桃か。『枕草子』には「木の花は、濃きも薄…
2023年1月7日2023年1月7日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第351号 2023年、令和五年、暦注干支で癸卯の年である。 干支は中国由来の東洋思想=陰陽五行説=を礎にした六十年周期で循環する暦で、古来未来を探るための手段として使われてきた。 コロナ禍下、停滞し続けた世の中にそろそろ希望が芽吹く春がやってきそうである。癸卯は「寒気が緩み、芽吹を促す年」を意味している。 人は…
2022年12月24日2022年12月19日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第350号 二学期が終了する。短期間の、年の改まる冬期休暇を迎える。有効有益な計画を立てて、しっかりと過ごしてほしい。 季節を四等分した春、夏、秋、冬の他に二十四節気と七十二候に分け、こまやかな季節の移ろいを楽しんでいた日本人は、この時期を冬至初候乃東生=うつぼぐさの芽の出てくるころ=と呼んでいた。 冬至は一年で最…
2022年11月17日2022年11月16日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第349号立冬・旧暦二十四節気、七十二候によれば末候、金盞香の季節。 日本人は、自然の流れによりそって、季節それぞれの風物詩を楽しみ、折々の祭や行事に願いを込めて、心豊かに生きて来た。 樋口一葉は『たけくらべ』に「或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり」と、この季節を書き出す。水仙の花が咲き…
2022年10月19日2022年10月21日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第348号 夏休みを終え、学校は二学期に入っている。九月、長月、白露草露白の暦、「槐祭」が終了し、校内の熱気と集中が収まり、一転静かな学校生活に戻った。 今年の「槐祭」のテーマは「槐の下の力持ち」。 コロナ禍にあるものの、三年ぶりに校外のお客様を迎えての公開実施である。過去公開日二日間で一万五千余人の来校者数であっ…
2022年7月22日2022年7月22日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第347号七月、文月。岩倉使節団欧米派遣、廃藩置県(一八七一年)、そして学制頒布、鉄道開通の年、「改暦の詔書」(一八七二年)が出され日本は太陽暦となる。それ迄は、季節の移ろいを細やかに取り入れた二十四節気、七十二候という旧暦(太陰太陽暦)に親しんで来た。旧暦では、大暑初候、桐始結花の季節。土用入りのころ学校は夏休みに入…
2022年6月7日2022年6月9日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第346号新しい「自調自考生」、高校七十二名、中学二百九十名を迎え、渋谷幕張中学・高校の新学年が始まっている。 五月、皐月。立夏、小満、そして六月、水無月。芒種、初候、蟷螂生の季節を迎えている。古来日本では六才の六月六日を稽古はじめの日とし、芸事の世界ではこの日を大切にしている。日本の無形文化遺産第一号登録の「能楽」…
2022年4月9日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第345号学園長 田村 哲夫 四月、卯月。清明、初候、玄鳥至。冬を東南アジアで過ごしたつばめは、数千キロを越えて日本に渡って来る。玄鳥、乙鳥、天女等春の使いの呼び名さまざま。人家の軒下などに好んで巣をつくる。清明とは全てのものが清らかで生き生きし、生命の輝く季節のこと。 学校では入学式を迎える。 苗代や家は若葉に…