2024年1月9日2024年1月6日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第360号二○二四年、令和六年、暦注干支では、甲辰の年である。 干支は中国古来の東洋思想(陰陽五行説)に基づく六十年周期で循環する暦で、未来を探る手段として使われている。 この循環する暦という思想は古代ローマやエジプトの暦にも見られる。 人は、本能に従って生きるのではなく、知性を活用して生きるという生き物であるが…
2023年12月25日2023年12月25日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第359号二学期終了。これから冬期休暇に入る。短いが、年の始めを迎える大事な時期である。有用、有益な計画を立て、しっかり過ごしてほしい。 旧暦ではこの季節を「冬至 初候 乃東生」と云う。「乃東」は夏枯草の古い呼び方で、初夏に花開く靭草のこと。花が夏の終りから秋にかけて枯れて褐色に変じるからである。 尋ね行く武庫の山…
2023年11月18日2023年11月15日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第358号旧暦立冬。次候。地始凍。七五三詣りを祝う。この時期白い五枚の花弁の真中に黄色い蕊が集まる小さな花、「茶の花」が楽しまれる。 自然の流れに寄り添い、季節の風物詩を楽しみ、折々の祭りや行事に願いを込めて心豊かに日本人は生きてきた。 茶の花や利休が目にはよしの山 山口素堂 春の七草に対比して、万葉集の憶良の歌…
2023年10月20日2023年10月26日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第357号夏休みを終え、学園は二学期に入る。九月、長月、白露草露白の暦、「槐祭」が催された。 今年のテーマは「Abnormal, As normal」。普段の学校生活が普段を超えている学校としての生徒諸君の自負を込めたテーマである。コロナ禍を越え、ウイズ・コロナ時代、ようやく従前の状況に近づいたなかでの開催で、来校さ…
2023年7月22日2023年7月22日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第356号七月、文月。季節は夏至を経て小暑。一年で最も日が長く夜が短い時期から、夏の暑さが日に日に増す時を迎える。そして、桐の花がひときわ目立つ大暑。学校は夏休みを迎える。 この季節、よく目にする鳥は、翡翠。雀くらいの大きさの鳥である。池の水面をすれすれ滑るように飛び、頭、翼は濃い緑色、背中はコバルト色で腹はオレンジ…
2023年6月7日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第355号五月、皐月が過ぎ立夏、小満、季節は初夏、麦秋。そして六月、水無月、芒種、蟷螂生。稲や麦など芒のある穀物の種蒔の時期になる。 日本は六百三十三種野鳥がいるが、渡り鳥でもある三鳴鳥(コマドリ、オオルリ、ウグイス)が登場してくる時期でもある。「ヒーリーリーリ」と朗々とさえずった後「ヂチッ」という濁ったさえずりを付…
2023年4月8日2023年4月9日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第354号 四月、卯月。清明、玄鳥至。春の使い「つばめ」が巣をかけるとその家に幸せが訪れると言い伝えがある。玄鳥、乙鳥、天女など呼び名様々。若葉が萌え、花が咲き、鳥が舞い歌う。生命の輝く季節。学校では入学式が挙行される。 幕張中学三百十二名、高校六十八名。新しい自調自考生の誕生である。 校庭では輝きを象徴して桜の花…
2023年3月20日2023年3月20日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第353号学校は今、三月弥生、春分。太陽が真東から昇り、真西に沈む日を迎え、「卒業式」そして「修了式」と続き、新学期の準備真最中である。 春分の日を中日に前後計七日間が、春のお彼岸で、先祖の霊を供養する仏事が行われる。日本では古来このころから農事始の神祭が仏教とは別の信仰行事として定着していたようだ。 竹の芽も茜さ…
2023年3月3日2023年3月1日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第352号三月、弥生。この時期、学校では三十八期生を送り、新入生を迎える準備に忙しい。 旧暦では、雨水、草木萌動。冬の間に蓄えていた生命の息吹が外に現れはじめる季節。春の花木の代表的花は、梅、桜と桃であろう。奈良と平安時代の和歌や物語に登場する花は、圧倒的に梅が多く、次いで桜と桃か。『枕草子』には「木の花は、濃きも薄…
2023年1月7日2023年1月7日 自調自考を考える 「自調自考」を考える 第351号 2023年、令和五年、暦注干支で癸卯の年である。 干支は中国由来の東洋思想=陰陽五行説=を礎にした六十年周期で循環する暦で、古来未来を探るための手段として使われてきた。 コロナ禍下、停滞し続けた世の中にそろそろ希望が芽吹く春がやってきそうである。癸卯は「寒気が緩み、芽吹を促す年」を意味している。 人は…