防衛医大・防衛大セミナー2023

◆ 社会貢献を意識した進学を考えてみよう ―防衛医大・防衛大セミナー2023-
6月27日(火)、進路部のGLFCプログラムの一環として、「防衛大学校・防衛医科大学校セミナー2023」を実施しました。当日は、高校3年生を中心に約70名の生徒が参集し、防衛省からお招きした2名の担当官(佐官)より、それぞれの大学校についての紹介をしていただきました。

防衛大学校は、国防のリーダーを育てることを目的とした教育機関で、ある程度規律正しい生活が求められ、携帯電話の使用に時間制限があったり、Wi-Fiが使えなかったり、寮からの外出に制約があったりするなど、一般の大学生活とは違った側面を赤裸々にお話いただきました。一方で、防衛大学校を卒業すると学士を授与されることから分かるとおり、一般の大学と遜色ない教育が受けられることや、サークルや部活動に相当する学友活動も活発で、学園祭などのイベントも充実していることを、ご自身の経験も踏まえてお話しいただきました。さらには、国際情勢や防衛技術など、防衛大学校でしか学べない学問領域があることや、成績や語学力の基準はあるものの、年間40名程度は海外留学を経験していることも教えていただきました。また、卒業後のキャリアパスについてもお話しいただき、自衛官になったのち、やる気次第で一般企業での研修や他大学での研究活動、他省庁への出向などの機会が用意されていることなどについて伺うことができました。

 

防衛医科大学校については、医学に加えて幹部自衛官になるための教育が行われる機関で、防衛大学校と同様に規律のある生活が求められるということでした。また、医師国家試験の対策にも力を入れており、安定した実績を上げている一方で、学友活動やイベントなどの充実度についても申し分なく、達成感のある学生生活を送ることができるということでした。さらに、医官として勤務するようになってからのことについては、昔のように自衛官だけを診察するのではなく一般診療も行っており、経験症例が増えていることや、新型コロナウイルス感染症のパンデミック初期に第一線で活動したこと、医療に恵まれない地域での能力構築支援やPKO活動への参加などグローバルな活動実績についても伺うことができました。

これは2つの大学校の説明のなかで特に強調されていたことですが、24時間を共に過ごす同僚や、苦楽をともにする先輩後輩との連帯感が強く、その絆は一生の宝になるというお話しで、とても印象的でした。また、自衛官という職業について、災害派遣などはない方がいいと前置きをした上で、人のために力を尽くす仕事としては申し分がないというお話に国を守るという使命感や誇りを感じました。今回のセミナーに参加した生徒たちにとって、一般の大学とは異なる特徴を持つ2つの大学校とその後の仕事についてのお話は、受験プランを練る材料に留まらず、大学に進学する意義や社会での将来の自分のあり方について、改めて深く考える機会になったようです。
本年度もセミナーの開催にご尽力いただいた防衛省の方々に感謝申し上げます。