世界の景色が変わる 120分のダイアログ

10月6日(木)、進路部のGLFCセミナーの一環として、NPO法人先端教育ラボの3名の講師の皆さんによる、「世界の景色が変わる、120分のダイアログ」と題されたセミナーが実施されました。今回のセミナーも大教室(第二啓発室)を会場に「密」を回避する形をとりながら、直接に参加者40名に対してお話しをいただきました。

セミナーのサブタイトルは「ビジネスが分かると将来が少し見えてくる!」。3名の講師の皆さんはそれぞれ海外の大学や大学院への留学経験があり、経営コンサルティング会社やベンチャーなどの民間企業や政府系機関における勤務、また企業経営者や俳優といった三者三様の経歴。同3名は、様々なビジネス社会の最前線で活躍してきた経験をベースに、「中高生の将来の選択肢を広げる」ことをコンセプにNPO法人先端教育ラボを設立され、早いうちから中高生に実社会を考えてもらうための活動を続けています。以下にて、セミナーの概要を報告します。

セミナーの前半は「ビジネス」をテーマとした講演。中高生にとっては抽象的な概念であるビジネスについて、その意味を改めて考えました。ビジネスとは「世の中に対する価値提供」であり、利益創出と社会貢献の双方を両立させることで初めて持続可能性(sustainability)が生まれる考え方に触れることから始まりました。更に、身近なBtoC(企業と顧客間)やBtoB(企業間)ビジネスの成り立ちを通じて様々な業態の提供価値を確認したり、EC(電子商取引)企業として有名な「Amazon」と「楽天」の比較やGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)を材料に、インターネット技術をベースとした昨今のビジネスモデルについて考えました。そして、過去の産業革命(上下水道や電気など)と比較的最近普及したインターネット技術が社会に提供してきた価値の違いに着目し、今後目指すべき社会やそのために必要な提供価値を自ら考えることで見える世界が広がり、ひいては自らの将来を考える糧になるとのメッセージが発信されました。

セミナーの後半は、具体的な現代企業が謳うビジョンやミッションを通して、企業が社会に提供したい価値や熱い想い読み取ることからスタートしました。その後は距離も保ちながらのアクティブラーニングに移行し、「中高生の困りごと」をテーマに、3人1組で「原因検討」→「解決策考案」→「メッセージ化」→「熱い想いを加えて改良」→「発表」というプロセスを繰り返しました。「日本の未来は一週間では変わらない!」、「満足できる学食で、学生に食の喜びを!」、「マスクを変える、呼吸を変える!」などの企業からの想定メッセージが次々と発表され、価値を考えること、価値を表現すること、価値に共感を得ることを模擬体験すると共に、その難しさも同時に学びました。

こうして2時間を超えるセミナーとなり、講師の皆さんの熱いメッセージと参加生徒たちの知的な好奇心がコラボしてとてもよい時間を過ごすことができました。自身の人生を主体的に、そして前向きに考えていく。そうした気概が伝わるセミナーでした。先端教育ラボの皆さんに感謝するとともに、こうした取り組みの意義を強く感じることができました。