再掲 沖大幹氏による進路講演会(令和2年2月27日)

真鍋淑郎・米プリンストン大学上席研究員の2021年度ノーベル物理学賞受賞が発表されました。記者会見でのユーモラスなコメントに、豊かな人間性を感じられた方も少なくないのではと思います。
今朝の読売新聞の朝刊に、真鍋氏を祝福する声として、同じ気候変動に関する研究を続けられている東京大学の沖大幹教授のコメントが、真鍋氏夫妻・沖教授夫妻の写真とともに紹介されています。沖教授には、平成30年の高校生国際会議「Water is Life 2018」の基調講演者として、また令和元年度進路講演会の講演者として本校で2度にわたりご講演いただきました。進路講演会では、世界の生活水準は確実に向上している、悲観論と楽観論の中の適切なバランスの中で将来を考えることが大切であると繰り返し述べられていました。いい機会なので、以下に当時の投稿を再掲いたします。

東京大学総長特別参与未来ビジョン研究センター教授兼国際連合大学上級副学長の沖大幹先生をお招きして、第35回開講記念講演会を開催しました。沖先生には2年前の「Water is Life2018」でも基調講演者のおひとりとして幕張でご登壇いただいております。
今日の演題は「22世紀への夢と希望を」。ご専門の水文学にとどまらず、学問と研究を進めるうえで大切なこと、これからの社会を担う若者に期待することなど、示唆に富んだご講演をいただきました。
特に印象深かったのは、水問題や食料問題を考えるうえで大切なのは悲観論と楽観論の適切なバランス感覚である、と仰られたこと(「水の悲観論者は間違っているが役にたつ。水の楽観論者は危険だ」)。ご参加いただいた保護者の方からも、「(未来が)明るくなった」というご感想が寄せられました。
約1時間のご講演のあとも、生徒からの数多くの質問(水文学を志された理由、洪水への対策、国連事務総長になるのに必要な資質、将来地学分野の研究をしたいが今は何を準備すべきか、地球温暖化問題の解決にあたって僕たちができること(これに対して先生は、一人ひとりの行動も大切だけどこれは1馬力。君たちには吉野彰さんのように社会全体が良くなるような変革を期したい、と)、など)に対して、真正面から真摯にご対応いただきました。将来、本校からも先生のように社会の課題に大きな視野で取り組んでゆく卒業生が生まれるのを期待したいと思います。