ホバークラフトの撤去

パトリオット号の雄姿

長らく田村記念講堂の2階に展示されていたホバークラフト「パトリオット号」が、新たな展示物と交代するため撤去することになりました。このホバークラフトは平成4年の槐祭(本校の文化祭)において、実際に入場者を乗せて浮き上がり走行した作品で、その後30年にわたって講堂に飾られていました。今日はこの作品を製作した当時の高校2年C組のOBOGにもお集まりいただき、撤去作業が進められました。
偶然にも当時の学級通信が手元にあったので読み進んでいくと、完成までの(当時の)生徒の皆さんの葛藤に少なからず胸を打たれます。

「多くの候補の中から、5日間の話し合いを経てやっとホバークラフトの製作に決まった」
「当初は絶対無理だと思っていた」
「製作途中は間に合わないのでは、と不安になった」
「エンジンに合うネジがなかなか見つからず、最後はエンジンのほうの穴を拡げて大きなボルトに合うようにした」
「近くの工場の工場長のおじさんが、学生だからということで無料でボルトとネジを作成してくれた」
「せっかく船体ができたのに槐祭直前になってもエンジンが動いてくれない。しかもエンジンに詳しいひとが誰もいない」
「日大の講師の先生のご指導を受け、文化祭当日にギリギリ間にあった」
「”だめかな”と、一瞬思った。でもそうこうするうちにエンジン音が響き渡り機体がふわっと前かがみに浮いた。思わず涙がでた。周りの友人たちも泣いていた」

集まっていただいた9名のOBOGは、久しぶりにパトリオット号と会い別れを惜しみました。なお、新たな展示物は生徒製作によるロボットが予定されています。  

1992年9月16日の千葉日報で取り上げられました。

校内報「えんじゅ」第66号表紙

ドライバー席は「えんじゅ」第66号表紙のご本人