2021 国家公務員セミナー

6月14日(月)、本年度最初のGLFCセミナーを、本校卒業生を招いて国家公務員セミナーを実施しました。当日は中3~高3まで、約70名と多くの生徒が参加しました。財務省若手官僚(総合職)としての視点、そして一卒業生としての視点から、さまざまなお話をしてもらいました。

◆ 国家公務員とはどんな仕事
国家公務員とは、より良い社会の実現のために、「目の前にある『当たり前』は、本当に当たり前のままでよいのか」「よりよいかたちはないか」と常に考え、「常識」に挑戦していく仕事であり、さまざまな関係者との協働が必要な仕事であるというお話がありました。また、総合職として中央省庁に勤めると、1~3年で仕事が変わり幅広い経験ができることや、民間企業等への出向や留学の機会があることについても紹介してもらいました。財務省の特徴については、多くの省庁の幅広い分野にまたがる仕事であることから、興味関心が幅広い人が多く、視野が広がる環境であるというお話がありました。加えて、イメージしにくい部分かもしれませんが、政策を考えるときは、長期的な視点も踏まえながら「いまの方法で課題は解決するのか」「政策の目的実現のために、その手段は社会にとって本当に必要なのか」などと根本の部分から考える雰囲気があることについても紹介がありました。

◆ 進路選択のために
進路選択のチャンスは一度だけではないという話がありました。大事なことは、まずどれか一つを選んで行動すること、その経験を通じて自分が何に興味関心が沸くのかをより深く知ることができること、そして社会人となってからも視野を広げる機会はあり、新しい選択ができるというメッセージをもらいました。また、自分が今興味のあることを発端として、それに関わる学問や仕事にはどんなものがあるのかと考えていくと、知らなかった学問や仕事のことを知ることにつながるというお話がありました。大学の学部選択については、どの学部に進んでも公務員に関しては試験を通過すれば基本的にチャンスがあり、また多くの日本の民間企業では学部はあまり関係ないものの、民間企業の理系の仕事に就きたい人は、仕事に応募できる学部が限られる場合があるので留意するようお話がありました。
また、高校での学習について、関係ないように見える科目が、将来の勉強や仕事に関わってくることも多く、どの科目でもしっかりと学んで思考を広げることが大切であるということが伝えられました。

◆ 将来の仕事の選択のために
将来の仕事の選択にあたっては、YouTubeや採用パンフレットなども利用しながら、実際の仕事について学ぶとわかりやすいとのことです。また、本校の教育理念である「自調自考」と同じように、民間企業や公務員にもそれぞれの組織理念があり、その内容に共感できるかという視点を持つとよいということなど、具体的なアドバイスをもらいました。ほかにも、「どのような仕事でも、目に見える部分が出来上がるまでには、たくさんの人々の行動の積み重ねがあることを忘れてはならないこと」、「情報を得るときは、どんな情報も鵜呑みにせずに自分でしっかりと考えること」、「実際に社会に出てからも常に外部的視点を持って自分の組織を見ることが大切であること」について話がありました。

最後に、高校生活でしておくべきことは、進路選択に縛られずに興味関心のあることに全力で打ち込むことであり、そこから得た学びは、ほかのことにも活きるというメッセージをもらいました。

〇 質疑応答の長い列
続く全体での質疑応答では、参加者から、通常の勤務の様子、入省までのプロセス、今後の留学など様々な視点から多くの質問がありました。
全体での質問が途切れたところで一旦セミナーを終了し、個別の質問に移りました。すると多くの生徒が居残り、長い列ができ、個々人の抱える進路選択への様々な質問が続きました。気がつけばセミナー開始から2時間が過ぎていました。

真摯で丁寧な語り口による話は、参加した生徒たちに有用な情報を提供いただいただけではなく、自身の未来に向けたなモチベーションを与えてくれました。

※ 後日、校長先生宛に「生徒の皆様よりたくさんの質問をいただき、一つ一つの内容に感銘を受け、とても頼もしく思いました。後輩にとって頼もしい先輩になれるように、精進してまいります。」とのお手紙をいただきました。