2024年度GLFC千葉大学医学部見学セミナー -医学を志すということ-

8月23日(金)、進路部主催によるGLFCセミナーの一環として、千葉大学医学部見学セミナーを、同学亥鼻キャンパスにて開催いたしました。今年度は、60名の生徒(高1・36名、高2・16名、高2・8名)が参集しました。まず全員が、医学部棟の第二講義室に集合し、三木隆司医学部長のご挨拶に続いて、千葉大学医学部の紹介動画を視聴しました。

*当日のセミナーの内容は以下の通りです。
・三木隆司医学部長のご挨拶
・研究室訪問(ラボツアー)
・伊藤彰一医学部副学部長による講演
・本校の卒業生による学生生活紹介

◆ 研究室訪問(ラボツアー)
生徒が見学を希望する研究室をもとに17グループに分かれて、ラボツアーに参加しました。

*イノベーション再生医学の研究室では、准教授の髙山先生から、血液細胞を使った再生医療についての講話をいただきました。ドナー不足で救えない難病患者をドナー不要で治療できるようにしたいという目標を聞いて、生徒たちも将来に希望を持って勉学に励む決意を固くした様子でした。講義のあとは研究室の内部を見せていただき、博士課程の先輩とキャリアについて対話しました。

*小児病態学の研究室では、アレルギーや免疫の研究室の設備見学(写真)、ICUやNICU・GCUの救急医療の現場を巡り、最後は小児病棟でのナースセンターの様子を見学させていただきました。見学途中に見かけたポスターには『小児科医は子どもの総合診療医』とあり、逆にこれが、小児科医が少ない原因の1つともお話しいただきましたが、「こども達の味方です。お子さんと家族が安心し納得できる医療を提供します」とある通り、どの見学場所でも医師・看護師・薬剤師のチームで医療に携わっていることが判りました。ご担当いただいた医師の先生には、見学中に連携する他病院から何度も医療に関する相談の電話応対があった中、小児科に関する様々な分野にわたる丁寧なご説明をしていただいたうえ、生徒の質問にも真摯に応えていただき、生徒は希望をもって見学を終えることができました。

*産婦人科学の研究室でお話を頂いた先生は二人とも本校の卒業生でした。

◆ 伊藤副学部長の講演 「千葉大学医学部の使命(ミッション)」
研究室訪問に続いて、医学部副学部長の伊藤彰一先生から「千葉大学医学部の使命(ミッション)」というテーマで講演をいただきました。

*千葉大学医学部は創立150年(2024年5月現在)という歴史のある大学ですが、近年は新しく立て直して、最先端の設備を備えた建物として生まれ変わりました。解剖実習室では実験台ごとにモニターを設置し、教員と学生が相互にやりとりし易くなりました。附属病院の受付フロアは空間にゆとりを持たせた設計になっていますが、それは災害時に多くの人を収容できるようにするためです。
本学のカリキュラムには、医学部卒業後、つまり6年後にどういう人になって欲しいかという願いが込められています。正しい倫理観とプロフェッショナリズム、コミュニケーション力を形成する土台となる授業を用意しています。千葉大の1年生は基本的には西千葉キャンパスでの学生生活ですが、医学部生は1年生でも亥鼻で専門科目を学ぶ日があります。
臨床実習は4年生の12月から6年生の10月までありますが、臨床実習以外の学習を支援するため、本学では臨床実習期間中の8週間を使って「アスパイア・プロジェクト」として自由に活動できる機会を設けました。これは学生自身が活動計画を立てて、海外に行ってもよし、研究してもよし、キャリア形成に役立つ活動をして振り返ることで、医療プロフェッショナリズムを向上させることをねらいとしています。
千葉大は2020年度より千葉大学グローバル人材育成”ENGINE”を開始し、「卒業までに全員留学」を実施しています。長期留学でなくてもよくて、1週間ちょっとの短期留学でもいいのです。学生たちをがちがちに締め付けない、自由なスタイルが千葉大学のやり方です。

◆ 本校卒業生による学生生活の紹介
続いて、本校卒業生の金貴煌さん(38期)、佐藤良祐さん(39期)のお二人からお話を頂きました。
*自分が他大の医学部を受験した際の面接で「受験生に望むこと」を面接官に逆質問したとき、返ってきた答えは次の2つでした。
1.社会問題に対して、小さなことでもいいから行動してみて欲しい
2.高校生活では勉強だけでなく、さまざまな活動に挑戦してみて欲しい
私はこれを聞いて、なるほどと思いました。皆さんには、社会問題を解決するために「自分なら何ができるだろう?」と日頃から考えてみることをお勧めします。もし高3生でしたら文化祭を頑張りましょう。チーム医療と同じで、人と共同して何かを作るというのはきっと将来役に立つと思います。高1.2生でしたら体育祭の応援団に参加してみるのも良いかもしれませんね。というのは、自分が応援団に入らなかったので、やっておけば良かったといま後悔しているからです。私は在学中に文化祭クラス代表や部活の幹部などやってきました。振り返るとそれが良かったと思っています。それと、高1から高2にかけて生徒全員が執筆に取り組む自調自考論文については、ほぼ全ての大学の面接で聞かれました。聞かれたときに恥ずかしくないように、しっかり準備しておきましょう。
ここで、学生に聞いた、千葉大医学部のいいところランキングを紹介します。
1位「設備がきれい」
2位「部活サークルが魅力的」
3位「学生間の仲がいい」
他は、「教育内容が良い」「カリキュラムがきつすぎないので、自分の時間がとりやすい」などもありました。千葉大の医学部は他の大学と違って、試験が夏休み前と春休み前に済んでしまうので、長期休み中に試験勉強に追われることが無く自由に過ごすことが出来ます。

※ 多くの関係者の方々のご協力のおかげで、今年も本セミナーを開催することができました。千葉大学医学部の皆様
に心より感謝申し上げます。