GLFC 住友商事Mirai School を開催しました

6月25日(火)、GLFCセミナーの一環として、住友商事によるキャリア支援プログラム「Mirai School」 を実施し、50名の生徒が参加しました。当日は、新事業投資第一ユニットの永野真理子さん、軽金属事業ユニットの山際真義さんを講師に、前半は住友商事の概要、人生グラフによる中高時代や大学での学び、入社してからの業務内容や海外での経験などを、後半では「未来に向けた取り組み」をテーマに、変化の激しい現代社会で求められる能力や、これからのキャリア・デザインの構築に対するアドバイスをいただきました。以下、当日のセミナーの様子を紹介いたします。

◎ 中高時代から現在までの経験
◆講師プロフィールと住友商事の紹介
永野:住友商事の永野真理子と申します。私は小3から高3までアメリカで過ごし、大学からは日本に戻ろうと考え、慶應義塾大学の法学部政治学科に進学しました。
山際:同じく住友商事の山際真義と申します。私は千葉県の出身で、千葉県の学校を卒業して、父親のすすめもあり、東京工業大学の理工学部経営工学科に進学しました。それでは私の方から皆さんに質問をします。住友商事ってどんな会社か知っていますか?実は皆さんの周辺にも住友商事は沢山あります。例えばサミットストア(スーパー)やJ:COM&ショップチャンネルなどは聞いたことがありませんか。住友商事は社員数約8万人、連結対象会社は884社あり、いろいろな事業を行っています。総合商社のビジネスモデルはトレードと事業投資が柱となりますが、仕入先や販売先、さらには投資先などいろいろな企業と繋がっています。私と永野さんは同じ住友商事でも、部署が違えばやっている仕事も全く違います。

◆私の人生グラフと仕事紹介/学校生活と仕事のつながり
永野:それでは私の人生グラフを参照に、仕事の内容を含めて自己紹介いたします。実は私は小3の時に、父親の転勤で、アメリカに引っ越しました。元々英語が嫌いだったことから、渡米当初は現地校に通うのがとても嫌で、数年間は中々友達もできない生活を送っていました。ただ、このままでは何も変わらないと思い、途中から気持ちを切り換えて、意欲的に英語に取り組みました。高校時代には英語に対するコンプレックスも無くなり、学校生活も楽しむことができました。高校卒業後は、自分から環境を変えて新しいことにチャレンジしたいと思い、一人で日本に戻り、日本の大学に進学しました。充実した大学生活を過ごした後、就職の際には、何かしら社会貢献ができるような仕事、且つグローバルに働けるような仕事に就きたいと考え、住友商事に就職しました。会社では新事業投資第一ユニットに所属し、スタートアップ投資業務や事業開発の業務を担当しています。生成AIやロボテックス、クリーンテックや量子力学など様々な領域の起業家と日々面談し、投資や事業開発の機会を模索しています。昨年はトレイニーとしてイスラエルの投資ファンドに出向していました。パレスチナ紛争のために帰国を余儀なくされましたが、アメリカとの生活環境の違いや、イスラエル人とのコミュニケーションの難しさを体感しました。学生生活と仕事のつながりとしては、世界史が好きだったことで他国への興味が深まったこと、プレゼン・エッセイ(小論文)の練習や勉強が社会人になってからも相手に自分の考え方をロジカルに伝えることに有効だったこと、また、部活を通じて、必要とされる人材になるためには唯一無二のユニークなキャリアを歩む必然性を痛感したこと、などがありました。
山際:私は大学を卒業して、住友商事に入社して、軽金属ユニットに所属してアルミ金属のトレードを5年間行いました。楽しい毎日でしたが3~4年たつと自分が一番だと天狗になってしまいました。(笑)そこから新しい部署の貴金属・エネ トレード部門に移動となり、ロンドンに6年間駐在しました。その後リーマンショックを経て日本に帰国し、主にアルミ関連の事業部門でチームリーダーやユニット長として勤務しています。アルミビジネスのミッションは「今よりももっとGreenな明日を!」を実現すること。そしてそのビジョンは「アルミによる社会課題の解決をリードする、働きたい場所にしたい」ということです。学生生活と仕事とのつながりですが、大学の専攻が理数系だったので論理的思考に役立ちました。歴史・語学・教養の学びは、コミュニケーションにおける信頼感の構築に役立ちました。そしてクラスや部活などの友達や仲間は、社会性の涵養や達成感の共有、そして人生の豊かさに繋がりました。

◎ キャリアデザイン(Career design)を考える
◆仕事を通じて感じている社会の変化/未来に向けた取り組み
永野:仕事を通じて感じている社会の変化は、3つあります。1つ目が「ファーストペンギンorアーリーアダプターになれる者が制すること」、2つ目が「情報を判断する力の重要性」、3つ目が「社会的意義の重要性の高まり」。とくに2つ目に関しては、AIと共存する中で情報の判断力が個々人に問われてきているという点、また3つ目の社会的意義はスタートアップへの投資には欠かせない視点です。私の未来に向けた取り組みをお話しします。まずキャリアに関しては、国内外を問わず、常に必要とされるユニークな人材になりたいということ。そのためには自分の専門領域を深めていきたいです。社外活動に関しては、元々興味のあった教育や政治に携われる仕事をしていきたいです。このMirai Schoolでの活動もそうですし、G20 Youthの日本代表団も務めております。そして最後に、体は一番の資本と考えて、プライベートでは筋トレや有酸素運動を継続しています。
山際:私の感じている社会の変化も3つあります。1つ目が「技術革新」、2つ目が「環境への意義」、3つ目が「グローバル秩序の崩壊」です。特に環境問題への日本の対応の遅れが気になります。未来に向けた取り組みですが、仕事の部分では、先述のアルミビジネスと自分たちが楽しめるビジネスを構築することと、将来、教育にも関わりたいので今回訪問しました。仕事以外では、半径5mの人生にならないように、多くの場所で多種多様な人と関われるように動いています。皆さんも、出来るだけ異文化・異世代の人と関われるように、家族と学校以外の人とも多く関われるように、自分から意識して能動的に行動してみて下さい。
◆これからのキャリア・デザインで大切なこと
永野:「地図よりもコンパスを持つ」ことです。不確実性の高い世の中なので、計画を立ててその通り進めるということよりも、確固たる自分の価値観を持ち続けることが大切です。
山際:「夢しか実現しない!自分しか変えられない!」ということ。やりたいと思う心(夢)を持って主体的に行動することが肝要です。住友商事の学生に向けた「もがき楽しむ」という言葉がありますが、もがいて一生懸命やった先に、本当の意味での達成感や楽しみが待っています。さらに「Always Be Connecting the Dot’s!」という言葉のように、いろいろな人との繋がりを大切にしてください。将来どこかで必ず繋がります。

※この後はグループディスカッションが行われ、その後の発表、質疑応答も含めて、参加した生徒はとても充実した時間を過ごしました。今回のセミナーをアレンジいただいたMirai Schoolの事務局のスタッフの皆さん、セミナーを実施頂いた住友商事の永野真理子さん、山際真義さんに心より感謝を申し上げます。