「医学部見学セミナー」Christmasに医学部授業をしてみない?

クリスマスの日、進路部のGLFC プログラムの一環として、成田市の国際医療福祉大学医学部を生徒16名と教員2名で訪問して「医学部見学セミナー」が実施されました。

最初に、河上裕医学部長より、グローバルな医学者の養成を掲げる同学のアドミッションポリシーと臨床実習やシミュレーション実習を重視している独自のカリキュラムについての説明があり、参加者からの質問にも丁寧にお答えいただきました。続いて河上先生により、すべて英語による「医学部に入ると何ができるの?-臨床から研究へ、日本から世界へ、がん・免疫研究の世界へ-」というテーマの模擬講義が実施され、学生時代やアメリカでの経験を元に、医療をチームで行うことの意義や効果、更には同じ病気であっても患者一人一人、対応は同じではないこと、臨床医として活躍したくても研究をすべきであるし、研究医として活躍したくても臨床をすべき、など医学者としての先生のポリシーをご教授いただきました。

次に、2グループに分かれ、「本村あゆみ先生による模擬講義」と「SCOPE(シミュレーションセンター)見学」が行われました。講義のテーマは「人の死を科学する」。近年、法医学をテーマとした『アンナチュラル』・『監察医 朝顔』といったテレビ番組が放映され、話題となっている分野です。内容は大きく四つ。
・ 高校での生物の授業で生命に関心を持ったことがきっかけで医学を志し救命医として勤務後、法医学者に転じたこと。
・医学には大きく3つのジャンルがあり、患者を直接診断する臨床医学とは違い、先生の専門の法医学は「人の死因を正しく判断する」という社会医学の分野にあたること。
・そして、そこには a.犯罪死、犯行態様判断 b.正確な死因判断  c.法の適正運用と立法にあたるための科学的根拠の提供といった役割があり、それぞれ治安維持や予防医学、裁判や基本的人権の遵守といった使命を担っていること。
・“死後経過時間推定”をノモグラムという表を用いて実際に計算する実習。
すべてが興味深く、かつ分かり易い内容でお話をいただきました。

「SCOPE(シミュレーションセンター)見学」では、SCOPE(Simulation Center for Outstanding Professional Education)と呼ばれる日本の医科大学としては最高水準にある同学の病室や手術室、カウンセリングルームといったシミュレーション施設を見学しました。診察室や病床室だけでなく、ICUや手術室、ER室など様々な場面の実習が可能な施設で、当日には実際に実習中の医学部生の姿も見学することができました。

医学部を目指す生徒にとって大変有意義な4時間のセミナーとなりました。
本校生徒の実習体験を快く受け入れていただいた国際医療福祉大学医学部の皆様に心より感謝を申し上げます。