11月28日(木) 模擬裁判授業

今年で23回目となる模擬裁判が開廷されました。この取り組みは東京弁護士会が中心となって進めていただいており、法曹界を身近に感じてもらうことを目的に開催されています。過去には、この模擬裁判をきっかけに法曹界を目指した卒業生もいて、将来の進路選択を考えるヒントにもなっているようです。
模擬裁判のシナリオも現職の弁護士の方々に作成いただき、これを用いることでよりリアルな裁判を体験することができます。今回は「殺人未遂事件」についての法廷で、居酒屋「池田屋」での坂本龍太(被告人)と同店従業員土方歳雄(被害者並びに証人)とのトラブルの事件性を争うというシナリオでした。
中3公民のテーマのひとつに司法権があり、本校ではこの単元の学習を深めるため模擬裁判を活用しており、この学習の総括として学年全体の模擬裁判を開廷しています。裁判開廷までに、生徒は配布された資料を丁寧に読み込んで有罪・無罪と考える根拠を積み上げ、パート毎(裁判官、検察官、弁護人、被告人と証人)の打合せなど準備を重ねてきました。
注目の判決は、「無罪」(裁判官:無罪6、有罪1 会場(傍聴生徒と保護者):無罪231、有罪46)でした。白熱した検察官と弁護人のやり取りが繰り広げられ、被告人質問における被告人の証言も模擬裁判を盛り上げました。事前指導においては弁護士の先生から、証人尋問と被告人質問の質問を追加しないと、検察官も弁護人も裁判には勝てないとアドバイスをいただいていましたが、本番では本質をついた質問が数多くあったと、お褒めの言葉をいただきました。また、配役の生徒に限らず、傍聴席の生徒の熱心にメモを取る姿勢や、裁判官の評議時間に自身の評決の説明を行った生徒に対しても賛辞をいただきました。
今回の模擬裁判が大変実り多いものとなりましたのも、シナリオ作りから裁判まであたたかく丁寧にご準備とご指導をいただいた東京弁護士会の先生方のおかげです。あらためて御礼申しあげます。