第37回高校吹奏楽部定期演奏会の幕があがった

フルートの軽やかな音色、トランペットの高らかなファンファーレ、力強いティンパニーの響き――ひとつひとつの楽器の奏でる音が重なり合って音楽を作る。音楽は曲の世界観を表現し、観客は一時その世界の旅人になる。感染対策という制約に阻まれ、観客数は限定され、パフォーマンスも例年同じような形ではできなかった。それでも彼らは吹奏楽の魅力を最大限に引き出し、観客と一体になる音楽を作り上げた。

当たり前のように続くと思っていた日常が、ある日突然日常でなくなる。呆然とし、自分の進む道を見失う――昨年は日本中がそんな混乱に陥った。そんな状況で、今自分たちにできることを模索し、37回目となる演奏会を実現した吹奏楽部の皆さんに心からの拍手を送りたい。代々引き継がれてきた渋谷幕張高校吹奏楽部の伝統――バトンは間違いなく後輩に引き継がれた。これからの活躍が楽しみだ。

演奏曲目
「マゼランの未知なる大陸への挑戦」作曲:樽屋雅徳
「吹奏楽のための狂詩曲~鍾馗の伝説による」作曲:近藤礼隆(29期卒業生)
「群青」作曲:Ayase
「シンフォニエッタ第3番 響きの森」作曲:福島弘和
「スウィングしなけりゃ意味がない」作曲:デューク・エリントン