「渋幕から宇宙へ」令和3年度開校記念講演会


 もともとは2月に開催される予定だった令和3年度開校記念講演会が、ようやく開催されました。新型コロナウイルス感染拡大のため延期されていたものです。講師には当初の予定通り卒業生の諏訪雄大先生(2001年卒、東京大学大学院総合文化研究科准教授)をお招きし、「渋幕から宇宙へ」という演題でご講演をいただきました。諏訪先生は、令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞された新進気鋭の宇宙物理学者です。
 前半は、中学・高校時代の学校生活、進路選択、大学、マックスプランク研究所、現在の研究職までのご自身の経歴についてのお話、後半は東大で開講されている「宇宙科学I」の講義の一部を実際にご講演いただきました。途中途中で、SlidoというWEB上の質問投稿システムを活用して学校中の生徒から随時投稿される質問に対してその場で瞬発力よく回答していく、という若手研究者の方ならではのスピード感溢れる講演となりました。

 NASAなどの研究結果によって宇宙の起源や謎を解き明かしてくれる、まるで上質の推理小説を読み進めるように講演は進みました。ブラックホールシャドウの映像、角砂糖一個分の重量が全人類の重さに匹敵する中性子星の存在、重力波天文学の急発展、など宇宙の神秘を次々とご紹介いただきました(ただただ、口をポカンと開けて聞き入っておりましたが)。
 諏訪先生は、高校時代の自調自考論文のテーマであった「ブラックホール」の研究が、現在の研究まで綿々と繋がってみえます。これからも充実した「宇宙の旅」がずっと続いていくのでしょう。
 最後に、在学生へ「大学ではワクワクする講義がたくさんあります。たくさんの専門家にいろいろと聞くことができるチャンスで、世界最先端の情報が盛りだくさんです」とメッセージをいただきました。