梅棹忠夫の世界「知的生産の技術」

学校の年度行事の始まりが始業式と入学式であるならば、本校にとっての学びの始まりは「あるく、ウメサオタダオ展」かもしれません。今年も「あるく、ウメサオタダオ展」が始まりました。毎年、この季節に合わせて、国立民族学博物館様より、梅棹忠夫氏が世界中を駆け巡った調査や研究の過程の資料をお貸りして図書館のオープンスペースに展示しています。今年で6年目となる催しです。
氏は、紀行文や研究の手法についての数々の著書を残した20世紀の「知と教養」の巨人です。世界中を歩き未知の領域を開拓していった旺盛なフロンティアスピリットは、文化人類学にとどまらず多くのフィールドワークの経験から情報整理論、研究方法論にまで及びました。
展示されている資料を見ていくと、研究とはまずよく整理された情報の記録から始まることがよくわかります。今でいうメモ魔でしょうか。ノートの一片や原稿用紙にアイデアが書き残されていて、研究の熱量のようなものを感じます。また、これらの研究の手法は、仲間との共同研究のなかで教えられたことがとても多かった、と著書の中で述べています。
入学された皆さん、新しい仲間との、学びの旅が始まりました。