今月、戦後80年の終戦記念日を迎えるにあたり、高校棟ロビーに展示されているグラフィックデザイナー片岡脩氏制作の平和ポスター「LOVE・PEACE」をご紹介します。このポスターを本校は戦後60年の2005年より展示しています。片山氏と本校のつながりは、開校時、校章デザインを依頼したことがきっかけでした。
片岡氏は広島県立第一中学校1年の時、爆心地から800mの校舎内で被爆しました。原爆で父親と兄を亡くし、またご自身も原爆症に苦しみ続けました。大学の頃から、デザインの道をめざし早くから商業広告の第一線で活躍されるようになります。若い頃は被爆や後遺症などを表面に出して生きることに大きな抵抗があったそうですが、徐々に「二度とヒロシマ、ナガサキの惨事を繰り返さないために自分にできることがあれば」と考えるようになります。被爆40年後の1985年(昭和60年)に、静かな訴えと自分なりの思いを込こめた「平和ポスター」を発表します。100枚の完成を目指す道半ばの、1997年(平成9年)、70数点を制作したところで亡くなりました。世界中から戦争の惨禍のニュースが届かない日がないこの頃ですが、片岡氏がポスターに託した願いを未来へ届けたいと思います。



片岡氏が本校校章をデザインした際のコピーが残っています。
<校章デザインのプロセスと選考過程>