渋幕に「梅棹忠夫」がやってきた

今年も国立民族学博物館様のご好意により「みんぱっく(梅棹忠夫)」の展示が図書館のオープンスペースで4月17日から始まりました。梅棹忠夫氏は、紀行文や研究方法について数々の著書を残した20世紀の「知と教養」の巨人です。世界中を歩き未知の領域を開拓していった広域な研究活動は、文化人類学にとどまらずあまたのフィールドワークの経験から情報整理論、研究方法論にまで及びました。
校長講話では中学1年の最初の講話で氏を取り上げ、まだコンピューターが今のように発達していなかったころの生産的な研究技術を紹介し、中学新入生に「学ぶ」にあたっての基本的「技術」を理解してもらいます。
本校では2年前より、国立民族学博物館様の「みんぱっく」を利用した「あるく、ウメサオタダオ展」が始まりました。原稿、ノート、スケッチ、メモカードなどの「学ぶ」ツールが4本の計10メートル以上の長大な年譜ととともに展示され、この時期図書館はミニ博物館に変貌します。

最後に氏の「学ぶ」ことへの思いの清々しさと厳しさ、心意気が色濃く映し出された1つの文章をご紹介いたします。
「もし学校において、教師ができるかぎりおしえまいとし、学生はなんとか教師から知恵をうばいとってやろうとつとめる。そういうきびしい対立と抗争の関係が成立するならば、学校というものの教育効果はいまの何層倍にものぼるのではないかと私は想像する」
梅棹忠夫「知的生産の技術」まえがきより