2018年1月9日2019年1月24日 自調自考を考える 1月9日(火)「自調自考」を考える 第306号 二千十八年、平成三十年、暦注の干支では、戊戌の年となる。戊は音読みで「ぼ」。今年は明治政府軍と旧幕府軍の「戊辰戦争」(一八六八~一八六九)一五〇年目の戊の年である。「戊」は十干の一つ。十二支の一つである戌は戊と酷似している。要注意。紀元前十七世紀ころ、中国に起因する哲理として陰陽五行説がある。これを年、月、…
2017年12月21日2019年1月24日 自調自考を考える 12月21日(木)「自調自考」を考える 第305号 二学期が終了する。冬期休み。 短いが年が改まる大切な時間。 心して有効有益に送りたい。 季節は、小雪、大雪そして冬至と移り、冬至、初候乃東生ず。 かつて一年のはじまりだった冬至。これから日が伸びていくので古代には、柚子の香りや薬効で体を清める禊の意味で柚子湯を楽しむのだ。 十二月三十日は小晦日。三十…
2017年11月18日2019年1月24日 自調自考を考える 11月18日(土)「自調自考」を考える 第304号 季節は白露、秋分、寒露、霜降と続き、「立冬末候金盞香し」となる。金盞とは金色の杯を意味し、黄色い冠をいただく水仙の別稱。金盞銀台とも云う。この時期を代表する水仙の花が咲き、かぐわしい香りが漂う。 「或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり」(樋口一葉『たけくらべ』) ケルトの民俗行…
2017年10月7日2019年1月24日 自調自考を考える 10月7日(土)「自調自考」を考える 第303号 九月、長月。白露初候草露白し。この時期学園は「槐祭」を迎える。九日、十日と二日間、一学期のスポーツフェスティバルと対となる学園最大の文化祭りである。 今年は「和っしょい」がテーマである。今年の文化祭実行委員達は「日本らしさ」「和風」を意識して、近年続いていた企画の偏りを解消し、文化祭全体のクオリティを上げ…
2017年7月22日2019年1月24日 自調自考を考える 7月22日(土)「自調自考」を考える 第302号 七月、文月。八月、葉月。 日本古来より、季節の移ろいを表わす二十四節気では、今この時期を「小暑、末候、鷹乃学を習う」と云い、鷹の雛が巣立ちし一人前になる時期と称する。 学校の夏休みの時期は「二十四節気、小暑、大暑、立秋、処暑」と呼ぶ時期と重なる。 梅雨が明け本格的な夏となり、もっとも暑い夏が来て、土用…
2017年6月15日2019年1月26日 自調自考を考える 6月15日(木)「自調自考」を考える 第301号 平成二十九年五月立夏。小満、生命が次第に満ち満ち、日の光がかがやく季節。六月芒種、稲や麦など穂の出る植物を撒くこと。稲の穂先にある針のような突起を芒という。そして雨の季節。「梅雨」と呼ばれる雨が降り梅の実が黄色く熟し新緑もほぼ出揃い、雨に光る美しい緑が映える。 梅雨の月があって白い花 種田山頭火 この「美…
2017年4月7日2019年2月12日 自調自考を考える 4月7日(金)「自調自考」を考える 第300号 四月、卯月。清明初候、全てのものが清らかで生き生きするころ。若葉が萌え、花咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く季節の到来。 大陸の東端と西端で温帯の日本と英国を比較すると、地形、風土の違いで、動植物の種類と数が圧倒的に違う。その豊かな植物がこの時期、一斉に咲き賑わう。 四月八日は灌仏会。浴仏盆に誕生仏を置き、…
2017年4月7日2019年1月26日 自調自考を考える 4月7日(金)「自調自考」を考える 第299号 校内報「えんじゅ」の巻頭言として校長先生から生徒への折々のメッセージが送られます。必ず「自調自考生、どう考える」という文言で締められるとおり、格調高く生徒へ問題が提起されます。 三月、弥生。四月、卯月。 昼と夜が同じ長さになる春分の時期を目前にして、季節は啓蟄、末候、菜虫蝶と化す。蝶は「夢虫」と呼ばれる…
2017年3月1日2019年1月26日 自調自考を考える 3月1日(水)「自調自考」を考える 第298号 三月、弥生。雨水末候、草木萌え動く。 古来自然と人は近しく暮らしていた。この時期、春の気配が増し、草木の息吹をそこここに感じる。 石走る垂水の上のさわらびの 萌え出づる春になりにけるかも 万葉集巻八春雑歌 志貴皇子 春の到来をよろこぶ気持がすーっと伝わって来る。 渋谷教育学園幕張高等学校は第三…
2017年1月7日2019年2月12日 自調自考を考える 1月7日(土)「自調自考」を考える 第297号二千拾七年、平成二十九年、暦注の干支では丁酉の年となる。 十干の丁は陰の火を表し植物が成長してきて安定した状態に達したことを意味する。十二支の酉は陰の金を表し、果実が成熟の極限に達した状態を表すとされている。 紀元前十七世紀頃の中国に起因する哲理として陰陽五行説がある。これを年、月、日に当てたものの大きな…